Amazonは5月、物議をかもしている同社の顔認証技術を政府に売ることの是非をめぐって株主投票を行う。
Amazonは米国時間4月11日、同社の年次株主総会を5月22日に開催することを明らかにした。そこで投票にかけられる議案のひとつが、「取締役会が独立した証拠に基づく評価を通じ、この技術が公民権および人権を実際にもしくは潜在的に侵害する原因もしくは一因とならないことを結論」づけない限り、「Amazon Rekognition」技術を政府機関に売ることを禁じる株主提案だ。
人権団体、米連邦議会議員、Amazonの従業員や一部株主から、同社のRekognitionソフトウェアを政府機関に売るのをやめるよう求める声が上がっている。Rekognitionは信頼性が不十分であり、顔の照合で誤判定を起こしているとして批判されている。米国自由人権協会(ACLU)が2018年7月、同ソフトウェアが米連邦議会議員の28人の顔写真を犯罪者と誤認したと報告したことで懸念が持ち上がった。
Amazonの取締役会は、株主に提案への反対票を投じるよう促している。
Amazonの取締役会は、年次総会の委任状説明書に次のように記している。「AWS(Amazon Web Services)がAmazon Rekognitionを提供してきたこの2年あまり、Amazon Rekognitionが提案で仮定されているような有害な方法で利用されたとの報告は1件も受け取っていない。一方で、法執行機関が市民の安全性を向上させるのに役立つといった、多くの有益な用途を把握している。(中略)われわれは、顧客がAmazon Rekognitionの結果を悪用する可能性を理由に、顧客に同技術を提供することを控えるべきではないと考える」
Amazonはコメントの依頼にすぐには応じなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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