三井不動産と東京ガスが地産地消のエネルギーで目指す災害に強い街--日本橋に発電プラント

 三井不動産と東京ガスが、東京・日本橋エリアにおけるエネルギーの地産地消に乗り出した。4月15日、竣工したばかりの日本橋室町三井タワー内に「日本橋エネルギーセンター」を設け、日本橋室町周辺地域に電気と熱を供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を開始したと発表した。

三井不動産 代表取締役社長の菰田正信氏(右)、東京ガス 代表取締役社長の内田高史氏(左)
三井不動産 代表取締役社長の菰田正信氏(右)、東京ガス 代表取締役社長の内田高史氏(左)

 日本橋スマートエネルギープロジェクトは、日本橋エネルギーセンター内にプラントを設け、日本橋室町三井タワーのほか、三越日本橋本店、武田グローバル本社といった周辺地域まで、既存建物を含む約20棟、延床面積約100万平方メートルの建物にエネルギーを供給するというもの。既存ビルを含む周辺地域への電気、熱の供給事業は日本初になる。

 日本橋エネルギーセンターは、日本橋室町三井タワーの地下2〜3階部分に位置する。熱源(都市ガス)により電力と熱を生産し、総合エネルギー効率の高いエネルギーを供給する「コジェネレーションシステム(CGS)」を設け、発電するほか、発電時に発生する廃熱を有効活用し、省エネ、省CO2を実現する。電気の供給は、ビルや商業施設などが対象で、一般家庭には供給しない。

「日本橋エネルギーセンター」内にある中央監視室
「日本橋エネルギーセンター」内にある中央監視室
「コジェネレーションシステム(CGS)」
「コジェネレーションシステム(CGS)」

 熱源となっている都市ガスは、工場や病院、商業施設などで使われる中圧網を採用することで、災害時でも安定した供給ができるとのこと。ガス導管が地震に強く、阪神・淡路大震災、東日本大震災クラスの大地震にも十分耐えられる構造になっている。

 日本橋エネルギーセンターでは、ガス発電50%と系統電力50%を使用する「ハイブリッド型自立分散電源」を採用。ガス供給網と電力供給網を活用して構築できるため、投資コストが抑えられるほか、系統電力で、CGSのメンテナンスや故障時のバックアップが賄えるなどのメリットを持つ。

ハイブリッド型自立分散電源を採用している
ハイブリッド型自立分散電源を採用している

 通常の耐停電対策は、停電から40秒以内に非常用の発電機が起動し、給電を開始するが、電力の供給は人命救助や消火活動など、防災専用で、供給できる量も限られている。日本橋エネルギーセンターでは、防災活動に100%電力を供給するのはもちろん、コンセントや照明、空調などにも電力を供給。エレベーターも動くなど、中圧ガス供給が続く限り電気供給を継続する。

「耐停電」対策の概要。左が従来の災害時の電力供給状態、対策後はコンセントや照明が使え、エレベーターも動くようになる
「耐停電」対策の概要。左が従来の災害時の電力供給状態、対策後はコンセントや照明が使え、エレベーターも動くようになる

 平常時に近い業務や暮らしを提供できるほか、日本橋室町三井タワーや、江戸桜通り地下歩道など、帰宅困難者向けの支援スペースも確保。デジタルサイネージを設置し、災害情報を提供するほか、スマートフォンの急速充電に対応したコンセントを装備し、一時滞在施設として役立てる。

 プラント面積は8000平方メートルで、予定電力供給能力は約4.3万キロワット。三井本館や三越日本橋本店、本館といった既存ビルには、地下にエネルギーラインを配置し、結ぶことで電力の供給を実現した。

 三井不動産と東京ガスでは、豊洲にも同様のスマートエネルギー事業を展開する予定。こちらは2020年に竣工する計画だ。東日本大震災後の計画停電や北海道地震でのブラックアウトを経験し、防災意識は耐停電の時代に変化してきている。「非常用発電もあるが、その役割は、人命の安全確保と消火活動を実行するための防災設備専用のもの。しかしみなさんが期待しているのは、コンセントが使え、スマートフォンの充電ができる、PCが使える、トイレやエレベーターが動くといった、平常時に近い業務や暮らしができる状況ではないか。この状況を街全体で実現させるべく取り組んでいくのが、日本橋スマートエネルギープロジェクト」と三井不動産 ビルディング本部 環境・エネルギー事業部長の中出博康氏は、その役割を示した。

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