英国政府はオンラインの安全性に関して強硬な姿勢を取っており、ソーシャルメディア企業の活動を抑える可能性もある独立規制機関を設けようとしているようだ。英政府によると、こうした取り組みは世界で初めてだという。
要件を満たさない企業には罰金が科され、上級幹部は責務の遂行を怠ったと判断されれば個人的に責任を問われることになるという。さらに、自社のサイトへのアクセスがブロックされる場合もあるようだ。
インターネットをより安全な場にすることを目指すこれらの新しい対策は、内務省とデジタル・文化・メディア・スポーツ省によって共同で発表された。規制機関の設置は、多くの人が期待していた政府白書の中核をなす勧告だ。政府白書は英国時間4月8日早朝に公開されたとみられる。
この規制機関の任務は、ソーシャルメディア企業各社が次のようなさまざまなオンラインの問題への対策を実施していることを確認することだ。
これらの要件は、FacebookやYouTube、Twitterなどの主要なソーシャルネットワークに適用されるだけでなく、ファイルホスティングサイトやオンラインフォーラム、メッセージングサービス、検索エンジンも対象になるという。
Theresa May首相は声明の中で、「これらの企業はあまりにも長い間、ユーザー、特に子供や若者を有害なコンテンツから守る対策を十分に講じてこなかった。われわれは活動家や保護者の声に耳を傾けてきた。そして、インターネット企業に法的な注意義務を課し、人々の安全を維持しようとしている」と述べた。
政府は現在、既存の規制機関に業務を任せるか、この目的のためだけに新規の規制機関を立ち上げるか決定しようとしている。IT業界から資金提供を受ける可能性があり、政府は現在、ソーシャルメディア企業への課税について検討している。
英政府のデジタル・文化・メディア・スポーツ相を務めるJeremy Wright氏は声明の中で、「オンライン企業の自主規制に任せる時代は終わった。オンラインの弊害に取り組む業界の自発的な対策は、適用に一貫性があるとは言えない、あるいは十分に適用されるに至っていない状況だ」と述べた。
8日に政府が発表した対策は、大手IT企業に対する規制を強化しようという、より大規模な世界的動向の一環だ。この動きは欧州で始まったが、米国でも注目が高まっており、Mark Zuckerberg氏やTim Cook氏といったIT企業のリーダーらも同調している。
今回の発表は、英国で大きな政治的混乱が起きている中で行われた。英国は、欧州連合(EU)離脱後に自国で継続的に雇用を創出したい一方で、シリコンバレーのテクノロジ企業に立ち向かう判断をした格好だ。新しい規制プロセスには、まだ議論の余地がある要素もいくつか含まれる。
デジタル・文化・メディア・スポーツ委員会のDamian Collins委員長は、必要な場合に調査を開始する権限を規制機関が持っていることが重要だと述べた。
Twitterの広報担当者は声明で、同社がユーザーの安全性を優先し、2018年に同プラットフォームに70以上の変更を加えたことを指摘した。「当社は引き続き業界と英国政府の議論に加わり、ユーザーの安全性の維持とインターネットのオープンで自由な性質の保持を適切に両立できるよう取り組む」(同広報担当者)
GoogleとFacebookの広報担当者からはすぐにはコメントを得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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