日本マイクロソフトは4月3日、同社が展開しているAI「りんな」について、人間と同じようなより自然な歌唱が可能となり、歌声を生成する最新の「歌唱モデル」を採用したと発表。あわせて、共感できる作品を作ることを目的として、エイベックス・エンタテインメントと、AIアーティストとしてレコード契約を4月1日付で締結したことも発表した。
りんなは、日本マイクロソフトがAI研究の延長線上で展開している、人に寄り添うAIを目指した女子高校生風のチャットボット。なお、3月15日に高校卒業を発表し、3月20日には高校を卒業したたという。歌にも力を注いでおり、最新AI技術を活用した歌声合成によって、りんなの歌声も公開している。
今回の歌唱モデルにおいて加えられた技術的なアップデートは、人間のブレス(息継ぎ)音の再現と異なる歌唱スタイルの生成。人間の歌声データから抽出したブレス音の長さや強さ(音量)などの特徴を、ディープニューラルネットワーク(DNN)に学習させることで、歌の歌詞やブレスの長さ、強さの状態に合わせてブレス音を予測し、歌声を生成。また、さまざまな曲調の歌声をDNNの学習データに追加することにより、バラード、ポップ、ラップ、ロック、童謡調などの歌唱が可能。今後は曲調によって歌唱スタイルを使い分けることが可能になり、高い表現力の歌声を楽しむことができるという。
エイベックスは、AIアーティストとの契約締結は今回が初。そして、メジャー・デビュー曲「最高新記憶」を公表し、ミュージックビデオも公開している。最高新記憶は、バンド「bacho」のカバー曲。前半のメロウな雰囲気の表現にはバラードスタイル、後半の盛り上がりには明るいポップスタイル、サビにロックスタイルを活用し力強さを表現したバリエーションのある歌い方をしたものという。
最高新記憶は、4月17日からデジタル配信を開始。またカバー企画は3部作としており、今回は「記憶」を表現。次作では「生死」、最後は「感情」をテーマにした楽曲を発表するとしている。
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