家庭などで使用する電力の供給を電力会社の電力網(グリッド)に頼らず、太陽光発電や燃料電池から得たり、Vehicle to Home(V2H)のように電気自動車(EV)などのバッテリーなどから賄ったりする、オフグリッドという考え方がある。電力会社のトラブルで停電になっても影響を受けない反面、家庭内での消費電力が増えると電力不足に陥りかねない。
これに対しTeslaは、電力網から独立したオフグリッド設備間で電力を融通する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月28日に「ENERGY GENERATION INTERACTIONS BYPASSING THE GRID」(公開特許番号「US 2019/0097427 A1」)として公開された。出願日は2018年11月9日。
この特許は、複数存在するオフグリッドシステム同士を電力ケーブルで結び、一方から他方へ電力を送れるようにする技術を説明したもの。あるシステムの必要とする電力と発生可能な電力を何らかのタイミングで比較し、電力が不足する状況になる場合、別のシステムから送電するよう全体を制御する。
オフグリッドとするのに必要な発電技術はどのような方式であってもよいが、クレーム(実施例)には太陽光発電に対する言及がある。また、システム間をケーブルで接続する際、途中に交流電力(AC)と直流電力(DC)を変換するための整流器を設けるアイデアにも触れている。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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