これらのToy-Conだけでも十分にVRの世界を堪能できるが、やはりNintendo Laboの醍醐味は“作る”ことだ。ユーザー自身がダンボールを組み立てながら、それぞれのToy-Conを作るのだが、VR KitではさらにVRゲームそのものを作って、自分だけの遊び方を発明できる。
従来のLaboシリーズに収録されていた「Toy-Con ガレージ」というモードは、さまざまな要素同士を線でつなぐだけで、ハードと工作が合体した動きを作れるものだった。VR Kitで新たに提供する「Toy ConガレージVR」では、2Dまたは3D編集モードで、3D空間にモノを置いたり、キャラクターを動かしたりして簡単にVRゲームを作れる。
具体的には、2D編集モードで「ヒト」「おしゃれなモノ」「BGMをならす」といったオブジェクトの種類や動作などの「入力」と、「出力」をタッチパネルで指を使いながら直感的につなげていく。そして、「3D編集モード」で実際にどのように動くのかを即座に試すことができる。たとえば、人とぶつかると箱が壊れる設定にしたり、3D編集画面で箱を空中に配置して、プレイ画面にすると重力で落ちるといった演出も可能だ。
もちろんゼロからゲームを作ることも可能だが、「VRひろば」には64個のサンプルゲームが用意されている。それらのゲーム単体でも遊べるが、サンプルをベースに改造(カスタマイズ)することもできるので、自分のスタイルにあった方法でVRゲームを作ることができる。こちらも実際に試してみたが、初歩的な動作であれば、大人でなくても数分で作ることができそうだ。
2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に備えて、子どもをプログラミング教室に通わせている保護者も増えているが、その費用が高額な教室も少なくない。その点、すでに多くの家庭に普及しているNintendo Switchで、手軽にVRゲーム作りを体験できるようになれば、プログラミングがより身近な存在になる子どもも増えそうだ。ちなみに、ゲーム内には「VRの仕組み」などを理解できるコンテンツも用意されている。
実際、任天堂はサイバーエージェント子会社でプログラミング教室「Tech Kids School」を運営するCA Tech Kidsとともに、Nintendo Laboを教育に活用する取り組みとして、2018年夏にハッカソンイベント「Tech Kids School presents Nintendo Labo Hackathon」を開催するなどしており、教育的な視点でも考えているのかもしれない。
ところで、VRを見ることによる子どもの身体への影響を懸念している保護者もいるのではないだろうか。同社によれば、VR Kitは眼科学・視覚研究の専門家の監修のもと、7歳以上であれば問題なく遊べるという。6歳以下の子どもが収録ゲームをプレイする場合には、没入感は減ってしまうが、VRモードにしなければ遊ぶことは可能だという。
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