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宇宙×食で課題解決へ--JAXAら、宇宙食料マーケットを創出する「Space Food X」

坂本純子 (編集部)2019年03月28日 18時19分
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 リアルテックファンドと国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月27日、シグマクシスとともに、世界初の宇宙食料マーケットを創出するプログラム「Space Food X(スペースフードエックス)」を発表した。

 宇宙および地球上における食料の生産・供給に関する課題解決と、マーケットの早期創出を目指す。

Space Food Xは、多種多様な30以上の企業・大学・研究機関・有識者等と共に、プログラムを推進。元宇宙飛行士の向井千秋さんも駆けつけた
Space Food Xは、多種多様な30以上の企業・大学・研究機関・有識者等と共に、プログラムを推進。元宇宙飛行士の向井千秋さんも駆けつけた

 リアルテックファンドは、2015年に創設された研究開発型ベンチャー特化型のベンチャーキャピタルファンド。シグマクシスは、新規事業開発のコンサルティングや2017年より「食&料理×テクノロジー」をテーマに、キッチンの未来を描くイベント「Smart Kitchen Summit Japan」を主催している。

 Space Food Xは、JAXAの共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の取り組みの一環で、多種多様な30以上の企業・大学・研究機関・有識者等と共に、プログラムを推進する。

プロジェクトに参加する企業や大学、研究機関、有識者ら
プロジェクトに参加する企業や大学、研究機関、有識者ら

宇宙と地球で共通する食料問題の解決へ

 宇宙でヒトが暮らす──もはやSFの世界ではなく、現実のものとして見えてきているようだ。2023年以降に世界初の民間月旅行の乗客第1号契約をしたとして、「ZOZOTOWN」で知られるスタートトゥデイの前澤友作氏が話題になったのは記憶に新しい。

宇宙でヒトが暮らすリアリティ
宇宙でヒトが暮らすリアリティ

 Space Food X代表でリアルテックファンド 執務執行役/グロースマネージャーの小正瑞季氏は、「2040年には、月に1000人が住むと言われる。人が増えれば増えるほど、“食”が重要になってくる。マーケットポテンシャルとしても大きく、数千億規模になる」と予測する。

 一方で、宇宙における食料生産は、各国でも検討・研究開発が進められているが、生産効率や生産可能な食料の種類などの観点で開発要素や検討課題が数多く残されている。

課題が多い月面や火星の「食」
課題が多い月面や火星の「食」

 日本では藻類、植物工場、人工培養肉など生産効率の高い食料生産技術の実現に向けた地上ビジネスの取り組みが始まっているほか、JAXAや大学などの研究機関では、宇宙での閉鎖環境を想定した物質循環・食料生産技術について研究開発が行われている。遠隔操作ロボットや3DフードプリンターなどのロボットやAI技術もある。

宇宙食の進化のポテンシャル
宇宙食の進化のポテンシャル

 宇宙への生存圏・経済圏拡大に伴う課題と、人口増加によって懸念されている地球上の持続可能な開発目標(SDGs)は共通課題として解決できると見る。

Space Food X代表でリアルテックファンド 執務執行役/グロースマネージャーの小正瑞季氏
Space Food X代表でリアルテックファンド 執務執行役/グロースマネージャーの小正瑞季氏

 「日本の強みであるテクノロジと文化を活用する。食料問題の解決にも役立ち、人類が豊かに幸せに生き続けられる世の中に挑む。現時点で2040年までに目指したいのは、究極の物質循環システムと食料生産システム。ゴミや排泄物を含めてすべて再利用して活用でき、食料も超効率的につくれるもの」(小正氏)と意気込みを見せた。

鍵になるのは日本の強みの技術と文化
鍵になるのは日本の強みの技術と文化

 Space Food X 副代表で、JAXA 新事業促進部 J-SPARCプロデューサーの菊池優太氏も、「宇宙ビジネスは、国家のプロジェクトというイメージがあった。今では、いろいろなプレーヤーが入ってきている。宇宙食は、実績を積み重ねて進化している。これまでは、調理済みの食材を持っていく時代だった。これからは持って上がって調理し、職業として宇宙調理人が生まれるかもしれない。さらには現地で育てて“月産月消”の世界を実現できるかもしれない」と期待を寄せる。

宇宙食の進化
宇宙食の進化
今後のスケジュール
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