「N高」卒業生、不登校経験者も8割が進路見つける--開校から3年間の実績を初公開 - (page 2)

N高生徒や保護者の「満足度」は?

 ネットの通信制高校と聞くと友だちができないのではないかと心配する保護者も多そうだが、アンケートを取ったところ、N高で友だちを作ろうと思った生徒は39.8%と約4割で、そのうち実際に友だちができた生徒は87%と9割近いという。

 このきっかけになっているのが、N高が提供するコミュニケーションツールや部活動などだ。講師や生徒同士のやりとりにはチャットツールの「Slack」を活用しており、2018年度の月間アクティブ率は25〜30%を維持しているという。

コミュニケーションツールである「Slack」のアクティブ率
コミュニケーションツールである「Slack」のアクティブ率

 このほか、「起業部」「eスポーツ部」「人狼部」といったさまざまなユニークな部活動や、「ドラゴンクエストX オンライン」内で出かけるネット遠足、「ニコニコ超会議」と連動した文化祭などを開催。さらに、日本全国の自治体と連携して、刀鍛冶や漁業、図書館司書などの職業体験といった、N高でなければ味わえない経験を生徒たちに届けてきたという。

部活動の人数
部活動の人数
職業体験はこれまでに1000人近い生徒が参加し、満足度は高いという
職業体験はこれまでに1000人近い生徒が参加し、満足度は高いという

 では、こうしたN高の活動に対する、生徒や保護者の満足度はどうか。生徒に「N高生であることに誇りを持っているか」を聞いたところ、41.8%が「はい」、48.1%が「どちらでもない」、10.1%が「いいえ」と答えたという。また、ネットコースにおける満足度は、全ての年度において8割近い満足度を得ているという。さらに保護者の満足度も8割近い数字を維持できているとした。

ネットコース生徒の満足度
ネットコース生徒の満足度
子どもをN高に通わせている保護者の満足度
子どもをN高に通わせている保護者の満足度

 これらの実績や評価について、N高の奥平校長は「一般的な教育業界において、開校から3年間で7000名を超えるというのは過去に類を見ない数字だと思う。校長という立場から言うと1つの目標にはいけたかなと思う。こういったさまざまな活動をしていきたいという当初の目標についても、たくさんの通信制の制度を使うことでできたことについては成功だったかなと思う」と語る。

 一方で夏野氏は、「経営の立場から言うとまだまだ。中学から高校に上がる生徒は1学年で110万人くらいいる。我々が3年間でここまできたのはすごいことだと思っているが、まだそのうちの4000人なので、より存在感を高めていきたい」と抱負を述べた。

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