百貨店の伊勢丹が売る「プログラミング玩具」--売り場の“総監督”が名作を紹介 - (page 2)

“木製”のプログラミング玩具も

——PCを使わずに、コーディングまで学べるなんてすごいボードゲームですね。これはぜひ買ってプレイしてみたいです。ほかに伊勢丹新宿店らしい売れ筋商品はありますか。

 都心部の住宅は、子ども専用のスペース以外でおもちゃで遊ぶというシーンが多いことから、インテリアとマッチするという観点でお子さんのおもちゃを選ばれる方もいらっしゃいます。特に、通常の玩具コーナーでも、本物の木を使ったおままごとのセットなどが人気なのですが、このプログラミング玩具コーナーにも木製玩具がありまして、買っていかれる方が多いですね。

——木製のプログラミング玩具というと?

 たとえば「PLYLOS(ピロス)」(税別6000円)です。こちらは2人で遊ぶゲームで、白っぽい木の球と、黒っぽい木の球をルールに従って交互に積み上げていくというゲームです。ピラミッドの頂点に自分の木の球を最終的に乗せたほうが勝利というシンプルなゲームですが、英国のトップ・エンジニアが考案したゲームだけあって、工学的で論理性の高いゲームです。

「PLYLOS(ピロス)」
「PLYLOS(ピロス)」

 「Cubetto(キュベット)」(税別2万9600円)も人気です。祖父母の方がお孫さんに買っていかれるのもよく目にします。「子どもたちには手を使った学びがもっとも効果的である」という、モンテッソーリ教育の原理に基づいて、デジタル画面を使わないプログラミング玩具として開発されたものです。

 木製のコントロールパネルが内蔵されており、ブロックをはめることで、本体の箱状のクルマであるCubettoが動く仕組みです。Bluetooth接続なので、インターネット環境や接続コード、PCは不要です。こちらも取り扱いを始めて以来、ずっと人気のある商品ですね。

「Cubetto(キュベット)」
「Cubetto(キュベット)」

STEMを体験できるイベントを多数開催

——今後、伊勢丹新宿店では「“PLAY 21世紀の読み・書き・そろばん プログラミング」に関連した催事やワークショップなども開催するのでしょうか。

 売り場でさまざまなお客様の声をお聞きして、常時関連イベントの企画などに反映しているのですが、伊勢丹新宿店の玩具売り場の脇に併設しているココイクパークのプログラミング教材を使ったワークショップなどで、お客様のご意見としてよく耳にするのが、「STEM(ステム)って何?」ということです。

 2000年代に米国で始まった教育モデルであるSTEM教育(Science, Technology, Engineering and Mathematics)は、すなわち科学・技術・工学・数学の教育分野を総称する言葉なのですが、「プログラミング的思考力」とこれらの分野は密接に関わりを持っています。最近ではSTEMに“Art”=感性を加えた「STEAM」という考え方も認知されてきています。

 産業が変化し、科学技術開発の競争力向上という観点から、教育政策や学校カリキュラムを論じるときに言及されることが多いですが、このワードをテーマに、丸ごとSTEMについて体験し考えていただくきっかけになればと思い、イベントを企画しました。その名も「未来のおもちゃ箱~STEAM FESTIVAL」です(会場:伊勢丹新宿店本館6階・催物場、会期:4月30日~5月6日の7日間・最終日は18時に終了)。

キャプション

 お子さま向けのワークショップ、ファミリー向けのワークショップやセミナー、大人向けのセミナーなど、多数のトークイベントやショーを開催するほか、商品も販売します。保護者さん世代にとっては、ご自身の育ってきた教育環境と、我が子が直面する未来の世界のギャップに戸惑っておられる方も多いと思います。まずは楽しく学んでコミュニケーションを図り、STEMをキーワードに次世代の「子育て」や「教育」を“自分ごと化”していく機会にしていただければと思っています。

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