TOSHIBAブランドも傘下--中国マイディアグループが突き進むAI家電最前線

 中国・上海に設置された世界初のCOLMO専門店
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 中国・上海に設置された世界初のCOLMO専門店

 中国の家電メーカーであるマイディアグループ(美的集団)が、新たな家電ブランド「COLMO」の新製品を発売。それにあわせて3月12日に、中国・上海のショピングモール内に、同ブランド初の専門店をオープンした。COLMOは、ビッグデータやIoTを活用したAI家電と位置づけられるハイエンドブランドであり、現時点で、冷蔵庫や洗濯機、炊飯器など6種類の製品を発表している。炊飯器では、米をセットするだけで、洗米から炊飯までを自動的にしてくれるなど先進的な家電製品となっている。オープン直後のCOLMO専門店を訪れて、AI家電の新ブランドCOLMOの製品群を見てみた。

専門店は上海タワーや上海テレビ塔などが見える位置にある
専門店は上海タワーや上海テレビ塔などが見える位置にある

 マイディアグループは、世界第2位の家電メーカーだ。日本ではあまり馴染みがないメーカーだが、2016年6月には、東芝の白物家電事業を行う東芝ライフスタイルを買収。現在、東芝ブランドの白物家電事業は、マイディアグループ傘下で事業が行われており、今は日本市場とも関係が深い家電メーカーの1社になっている。

 マイディアグループには、主力となる「Midea」ブランドのほか、ミッドレンジの洗濯機やエアコンを展開する「Little Swan」ブランド、デザイン性に優れたハイエンドの洗濯機や給湯器を展開する「BEVERY」ブランドを展開。そして、長年に渡る東芝の白物家電事業のノウハウを生かした「TOSHIBA」ブランドの家電は、同グループの中で、信頼性が高いハイブランド製品に位置づけている。3月14日には、新たにeコマース向けの新ブランド「BUGU」を発表。若者向けに展開していく考えだ。

 こうしたマルチブランド戦略を推進する同社が、2018年10月に、マイディアグループの創業50周年にあわせて発表した新ブランドが「COLMO」で、AI家電と呼ばれる領域を担う製品群となる。

 「COLMO」には、頂上などの意味があり、現在、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、オーブンレンジ、コンロおよびレンジフード、食洗機の6つの製品を用意。今後、ラインアップが広がることになる。

AI家電であるCOLMOを紹介するポスター
AI家電であるCOLMOを紹介するポスター

洗米できる炊飯器や3つのカメラを備えた冷蔵庫などのAI家電を披露

 COLMOブランドの製品をいくつか紹介しよう。炊飯器の「CBDA30」は、2つの槽に分かれており、米を投入する槽では、お米を入れるだけで、センサーが米の品種や産地などを認識して、それをもとに最適な炊飯を設定。米は、自動的にもうひとつの槽の上部にあるカップ内に送られ、そこで洗米される。洗米に使用された水は排出され、洗米後には、米が炊飯釜に落とされて、米の品種や量にあわせた水量や時間で炊飯が行われる。

 炊飯は、多段階のIH制御により、おいしく炊き上げるという。これらの作業がすべて自動で行われるというものだ。価格は1万9999元(約32万7000円)となっている。

 洗濯機の「CLDC12」は、洗濯物を入れると、センサーが洗濯物の量や汚れ具合、素材、形状、色などを判断。それにあわせて、洗い方や水位、温度、洗剤や柔軟剤などを自動的に選択して、最適な洗濯ができるという。さらに、空気で洗うことも可能であり、水を使った洗濯ができない素材などについては、これによって除菌や脱臭ができる。価格は4万5999元(約75万3000円)とかなり高価だ。

 冷蔵庫「CRBT718」では、冷蔵室内に3つのカメラを設置。食材ごとにあわせた温度および湿度設定によって、新鮮に食材を保管できる。また、食材を判断して、食材がおいしい期間に、家族の健康状態にあわせた形で食べられるようにレシピを提案する。冷蔵庫の扉には、ディスプレイが搭載されており、庫内の温度や湿度の状況が表示されたり、野菜や果物、肉などの鮮度を表示。さらに、家族1人ひとりにあわせておすすめのレシピを表示するといった具合だ。価格は5万4999元(約90万円)となっている。

 そのほか、食洗機では、食器の種類にあわせて最適な水量で洗ったり、レンジフードでは、キッチンで作業をする人の頭にあたらない高さに調整されており、ちょうど視線の高さにあるディスプレイにはさまざまな情報が表示される。調理方法の表示のほか、ここから音楽を選ぶといったことも可能だ。オーブンレンジは、まだ発売前の製品だが、ビッグテータやセンサーを利用することで、焼いたり、蒸したりすることに最適化した工夫が凝らされており、食洗機では、入れた食器を判断して、水量や洗剤を効率的に使いながら、最適な洗い方をするという。

 現在、これらの製品が常設されているのは、上海市内に、3月12日にオープンしたCOLMO専門店だけである。今後、中国国内の主要都市に同様の店舗が設置される予定であり、20店舗程度にまで拡大する予定だという。なお、COLMOブランドの製品は、日本での展開は予定されていない。

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