飛行機を使う移動では、決して広くないシートに長時間座っている必要がある。そのため、乗客が少しでも快適に過ごせるよう、シートごとに読書用のライトや調整可能な空調吹き出し口、客室乗務員を呼び出すボタン、エンターテインメントシステムなどが設けられている。しかし、1人あたりの空間が狭いので、ボタン類は操作しにくいことが多い。
これに対しBoeingは、旅客機のシート備え付け装置類を手のジェスチャーで操作するための技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月7日に「AIRCRAFT HAVING GESTURE-BASED CONTROL FOR AN ONBOARD PASSENGER SERVICE UNIT」(公開特許番号「US 2019/0073043 A1」)として公開された。出願日は2018年11月5日。
この特許は、旅客機の各シートに設けられた装置の操作を、乗客のジェスチャーで実行可能にする技術を説明したもの。手の動きを各シート用のカメラがとらえてジェスチャーとして認識し、読書灯や乗務員呼び出しボタン、空調、窓の日よけなどを制御する。
手の動きを何らかのシステム制御用ジェスチャーとして利用する技術は以前から存在するが、Boeingの特許はクレーム(請求項)で複数の乗客用シートを備える旅客機に限定して権利化を狙ったようだ。また、右手と左手のどちらでジェスチャーするのかは、利き手を登録することで乗客が自由に選べる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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