特許とは、技術的アイデアの実現に最低限必要な構成要素とアルゴリズムなどを文章で説明するものだ。説明通り構築したシステムが稼働する保証はないし、動くシステムが作れても実用的でなかったり、現実的なコストで運用できなかったりする。とにかく、アイデアの権利者を明確化することが目的である。
今回紹介するMicrosoft傘下の特許管理会社Microsoft Technology Licensing(MTL)が米国時間2017年8月16日に米国特許商標庁(USPTO)へ出願した技術も、実用性よりもアイデアの権利化を狙ったように思える。USPTOは、同出願を2019年2月21日に「CRIME SCENE ANALYSIS USING MACHINE LEARNING」(公開特許番号「US 2019/0057286 A1」)として公開した。
この特許は、銃火器または爆発物の使われた犯罪に関して、犯行現場から得られるさまざまな情報を機械学習(マシンラーニング)システムで解析し、使用された銃火器の種類などを特定する技術を説明したもの。解析対象の情報としては、現場のビデオ映像や写真、録音といったデータが想定されている。
解析処理は、比較対象データがデータベース化されているサーバー上で実行する。そのため、現場から何らかの方法で得られた解析用データは、解析時にサーバーへ送信される。
さらに、現場の見取り図、被害者の受けた傷の位置や状態などの情報も、解析用データとして利用される。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス