2人の米上院議員が米国時間3月14日、「Commercial Facial Recognition Privacy Act」(商用顔認識プライバシー法)という法案を提出した。これが成立すれば、企業が顧客に知らせずに顔認識データを収集したり、顧客の同意なしにそうしたデータを使用したりするのを防ぐことができる。
つまり、顧客が許可を与えない限り、企業は顔認識を使用して、来店した顧客を識別および追跡することができなくなる。
顔認識を利用すれば、企業や政府機関は画像だけで人物を識別できる。顔認識は主に警察によって使用されているが、企業による採用も増えている。
顔認識は空港やコンサートホール、 マディソンスクエアガーデンなどの会場で使用されているが、企業が収集した顔データを使ってできることを制限するプライバシー規制は存在しない。
この新しい法案が可決されれば、顔認識とプライバシーに関する最初の連邦法となる。
シリコンバレーの大手企業各社も、顔認識が人々のプライバシーを完全に奪ってしまう可能性について、警告を発している。それには、この法案を支持するMicrosoftのプレジデント兼最高法務責任者、Brad Smith氏も含まれる。
Smith氏は声明で、「偏見行為や差別行為の防止、消費者のプライバシーの保護、私たちの基本的な民主的自由の擁護のために、その(顔認識の)利用を規制する必要がある」と述べた。
プライバシー擁護団体も顔認識の使用に反対の声を上げている。この技術を利用すれば、人々の位置情報と購買習慣を記録し、その情報を長期にわたって追跡できる可能性がある。
この法案は企業に対し、正確性と偏見の問題に対処するため、顔認識技術を導入する前にサードパーティーによるテストや人間によるレビューを実施することも義務付けている。
法案が成立すれば、企業はエンドユーザーの同意なしに顔認識データをサードパーティーに販売することもできなくなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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