ホームIoT「au HOME」に睡眠モニタリングサービス--約6割が自身の睡眠に“不満”

 KDDIは3月13日、同社のホームIoTサービス「au HOME」に睡眠モニタリングのサービスを追加すると発表した。新たに提供する睡眠センサーを購入し、住宅内のau HOMEネットワークに加えるだけで利用できる。センサーが検知した結果は、専用のスマホアプリで確認可能だ。

ニューロスペース代表取締役社長を務める小林孝徳氏(左)、KDDI理事で商品・CS統括本部の副統括本部長を務める山田靖久氏(中)、フランスベッド取締役常務執行役員で生産開発本部長を務める上田隆司氏(右)
ニューロスペース代表取締役社長を務める小林孝徳氏(左)、KDDI理事で商品・CS統括本部の副統括本部長を務める山田靖久氏(中)、フランスベッド取締役常務執行役員で生産開発本部長を務める上田隆司氏(右)

「すこやか」をもたらす睡眠モニタリングサービス

 発表会で説明に立ったKDDI理事で商品・CS統括本部の副統括本部長を務める山田靖久氏は、60%近くが自身の睡眠に不満を感じているという調査結果を紹介し、不満の内容として「夜中に目が覚める」「寝付きが悪い」「朝の目覚めが悪い」「寝ても体がだるい」「早く目覚めてしまう」など、睡眠の質や時間が多く挙がっているとするデータを紹介した。

 また、世界保健機関(WHO)が、世界中で現在知られている疾病のほとんどを対象に、診断分類法をまとめた「疾病及び関連保険問題の国際統計分類(ICD:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」の改訂版(ICD-11)で、睡眠障害を独立した大分類に格上げしている。睡眠障害は日本に限らず、全世界で問題となっているのだ。

KDDI理事で商品・CS統括本部の副統括本部長を務める山田靖久氏
KDDI理事で商品・CS統括本部の副統括本部長を務める山田靖久氏

 山田氏はこれまでau HOMEを「あんしん」「べんり」「たのしい」を家庭にもたらすサービスとして提供してきたが、新たに「すこやか」をもたらすサービスとして睡眠モニタリングのサービスを提供すると宣言し、au HOMEのサービスの幅が広がることをアピールした。

板状の睡眠モニターをマットレスの下に敷くだけ

 新サービスを利用するには、KDDIが3月15日から新たに発売する「睡眠モニター01」をマットレスの下に敷き、住宅内のau HOMEネットワークに参加させる。その状態で床に入って睡眠をとれば、睡眠モニターが睡眠の状態を示す心拍や呼吸、身体の動きを示すデータを収集し、クラウドに送信する。睡眠モニター01の価格は税別2万5000円。

KDDIが3月15日に発売する「睡眠モニター01」。マットレスの下に敷いて使用する
KDDIが3月15日に発売する「睡眠モニター01」。マットレスの下に敷いて使用する

 睡眠状態を示す各種データを収集、分析し、その結果を提示するサービスはすでに登場しているが、ヘッドギア型のセンサーや、手首に巻くセンサーなど、睡眠を妨げる要因となりそうなセンサーを使っているものもある。山田氏は「マットレスの下に敷くセンサーでもかなり精度の高いデータを取得できるようになった」として、板状のセンサーを採用したと説明した。センサーを身に付ける必要がないので、気軽に使え、かつ確実にデータを収集できるというメリットが期待できるだろう。

 スマートフォンの専用アプリ「Real Sleep」を利用すると、睡眠モニターが収集したデータの分析結果を確認できる。Real Sleepは睡眠時間、ステージ(レム睡眠/浅い睡眠/深い睡眠)、睡眠中の身体の動き、心拍数、呼吸数をグラフで表示するほか、以上のデータから算出した「睡眠スコア」という睡眠状態を総合的に評価するスコアを提示する。睡眠データは蓄積していくので、過去のデータを1日単位、週単位で確認することも可能だ。クラウドでのデータ分析などのサービスはau HOMEの月額基本料金(490円)で利用できる。

スマートフォンの専用アプリケーション「Real Sleep」を利用すると、睡眠の状態を示す各種データを確認できる
スマートフォンの専用アプリケーション「Real Sleep」を利用すると、睡眠の状態を示す各種データを確認できる

 加えて、Real Sleepの分析結果に応じて、アプリに週1回睡眠に関するアドバイスの文章を提供する「アドバイスオプション」も用意する。このオプションでは、睡眠と健康に関する問題について、保健師などの有資格者が電話相談を受け付けるサービスも提供する(年に3回まで)。アドバイスオプションの利用料金は月額300円。ただし、8月末まではキャンペーンで無料になる。

 睡眠データの分析には、ニューロスペースの協力を得た。同社は企業向けに睡眠改善プログラムを提供しており、60社合計、延べ1万人以上の睡眠状態を改善してきたデータを保有している。大手企業に勤務する100名を対象とした実証実験で、ニューロスペースが睡眠に関するアドバイスを提供することで、睡眠時間が平均で30分以上延びた、被験者の約20%が日中の眠気を改善できた、被験者の約20%が睡眠でより強い満足感を得られるようになったといった結果が出ており、被験者の70%以上がニューロスペースの睡眠に関するアドバイスなどのサービスを同僚などに勧めたいと評価しているという。

睡眠モニターなどを組み込んだマットレスも開発

 さらにKDDIは、寝具大手のフランスベッドと共同で、「睡眠モニタリング機能付きマットレス(ルーパーRP-5000SE)」を開発した。このマットレスはフランスベッドの電動リクライニングマットレスに、睡眠モニター01と、寝床内の温湿度を計測する「マルチセンサー01」を内蔵したもの。寝室の温湿度を計測するマルチモニター01もセットにして販売する。このマットレスは睡眠モニター01と同じく、3月15日から発売の予定。価格は税別16万8000円。

フランスベッドと共同で開発した「睡眠モニタリング機能付きマットレス(ルーパーRP-5000SE)」。KDDIが販売するスマートフォン「INFOBAR」をイメージしたデザインになっている
フランスベッドと共同で開発した「睡眠モニタリング機能付きマットレス(ルーパーRP-5000SE)」。KDDIが販売するスマートフォン「INFOBAR」をイメージしたデザインになっている

 フランスベッド取締役常務執行役員で生産開発本部長を務める上田隆司氏は、健康を左右する3要素として「食」「体力」に並んで「睡眠」が挙げられるとし、睡眠の質を向上させるには寝具の選択や寝姿勢の改善もあるが、睡眠深度と睡眠負債の改善が重要だと指摘した。顧客からも睡眠負債の状態などを検知して、自身で確認できる機能が欲しいという要望を受けていたことを明かした。これが、睡眠モニタリング機能付きマットレスの共同開発につながったわけだ。

 そして上田氏は、睡眠モニタリング機能付きマットレスに睡眠モニターだけでなく、寝床内の温湿度を計測するセンサーを内蔵したことについて、「どんな良い寝具を選択しても、寝床内の温度が高すぎたり、低すぎると、良い睡眠は取れない」という理由を挙げた。そして最適な睡眠には、寝床内の温度を32〜35°に維持する必要があるという。

フランスベッド取締役常務執行役員で生産開発本部長を務める上田隆司氏
フランスベッド取締役常務執行役員で生産開発本部長を務める上田隆司氏

 このマットレスを利用してデータを分析することで、寝床内の温度が低いなら毛布をもう一枚掛ける、掛け布団が重くて寝返りができないのであれば、羽毛布団に変えて寝姿勢を改善するなど、データを基に睡眠環境を改善していけるとアピールした。

 au HOMEで、睡眠モニタリング機能付きマットレスを利用するには、月額基本料金に加えて、月額790円が必要になる。ただし、8月末まではキャンペーンで、この料金が無料になる。

睡眠状態に応じて“目覚めやすい環境”を作るサービスも

 KDDIはまた、2019年夏から睡眠状態を示すデータを分析し、適切な睡眠環境を作るサービスも提供する。これは、データ分析の結果から最適な起床時間を導き出し、その時間にアラームを鳴らすほか、睡眠データに応じてスマート電球やスマートカーテンを制御して、寝室内の明るさを徐々に変えていくものだ。その結果、「目覚めが悪い」ということがなくなり、毎朝すっきり気分良く目覚めることができるという。

 KDDIの山田氏は、au HOMEの利用者や利用率が、「Google Home」などのスマートスピーカーとの連携を始めてから向上していると語る。フランスベッドも音声認識技術には注目しており、社内では音声で操作できるリクライニングマットレスなども開発しているという。今回提供が始まる睡眠モニタリングのサービスや、睡眠モニタリング機能付きマットレスも、au HOMEやスマートスピーカーと連携して、さらに便利になることを期待したい。

夏からは、睡眠状態に応じて適切な睡眠環境を作るサービスも提供する
夏からは、睡眠状態に応じて適切な睡眠環境を作るサービスも提供する

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