ライカと協業した高画質なカメラを載せたファーウェイのスマートフォン「P」シリーズはもはやデジカメがいらないほど美しい写真を撮影できる。2018年3月にパリで発表された「P20 Pro」は4800万画素の超高解像度カメラの搭載でスマートフォンのカメラ技術を一気に引き上げた。それだけではなく、P20 Pro本体の背面デザインはメーカーロゴが3つのカメラに合わせるように横向きに配置されている。iPhoneは「スマートフォンのカメラは縦に持つ」文化を広めたが、ファーウェイはそれに真っ向から対抗し「横向きで美しい写真を撮る」ことを大きくアピールしたのだ。
またP20シリーズには背面にグラデーションをかけた美しいデザインの「トワイライト」カラーも用意。iPhoneにはない色合いで、iPhoneのガラス仕上げの美しい背面ですら古臭く思わせる斬新なデザインだ。
そもそもスマートフォンのディスプレイにノッチがあるのはフロントカメラやセンサーがあるからだ。ならばそれを使わないときに隠してしまえばいいという発想から、モーター仕掛けで動くカメラモジュールを搭載したスマートフォンがVivoとOPPOから登場した。中でもOPPOの「FIND X」はフロント部分の上部全体が上下に動くギミックを搭載。世界シェア4位とはいえ、まだ先進国に本格参入していない中国メーカーがここまでクオリティーの高い製品を仕上げたことに世間は驚いた。
日本にも参入し先進国市場の本格展開を図ったOPPOはノッチが目立たぬように小型化、いわゆる「水滴型」と呼ばれるノッチを採用したディスプレイを搭載する「R17」シリーズを発表。ディスプレイの表示面積の無駄を最小限にすることに成功した。これでOPPOはiPhone X型のノッチ採用をたった5か月で全廃した。水滴型ノッチはその後各社に広がっていく。
Palm(パーム)の名前を今でも覚えている人がいるだろうか。アメリカのキャリア、ベライゾンから発売された「Palm」は3.3インチディスプレイを搭載した超小型のスマートフォンだ。単体での利用ではなく、親スマートフォンと紐づけることでApple Watchのように着信やメッセージをPalmで受け取ることができる。もちろん単体で使えないこともないが、大型化するスマートフォンに対してコンパニオン型デバイスを持つという新たな価値を生み出そうとした。
OPPOとVivoのカメラ収納式ギミックに対し、シャオミが取ったのはスマートフォン本体を横から2枚にスライスし、下側丈夫にカメラを搭載するスライド型機構を採用した。つまり普段はフロントカメラが隠れているが、スライドさせることで上部に裏からカメラが飛び出てくるのだ。フィーチャーフォンなどにも似たスタイルはあったが、大型ディスプレイを採用するスマートフォンとしてはキーボードを隠したブラックベリー「Priv」以来だろう。製造時の精度調整が必要な製品だが、すぐさまファーウェイ(Honor)、Lenovoが追従したスマートフォンを出している。
スマートフォンの裏側が「ただの板」ではもったいないとばかりに、Nubiaの「Nubia X」は裏側もカラーディスプレイにしてしまった製品だ。裏側に電子ペーパーを搭載したスマートフォンも過去にいくつかあったが使い道が見つからず成功していない。Nubia Xは裏面を有機ELディスプレイとし、カレンダーやアニメーションを表示することでスマートフォンを裏返しても情報を見ることができるのだ。
1枚のディスプレイを自由に折り曲げることのできるタブレット型スマートフォンともいえる「FlexPai」は中国の新興ディスプレイメーカー、Royoleが製品化に成功した。フォルダブルともいわれるこのデザインはサムスンが2013年にコンセプトを発表したものの、その後なかなか市場には出てこなかった。Royoleは0.1ミリの薄型ディスプレイとタッチパネルを開発することで、世界初の折り曲げできるディスプレイを搭載したスマートフォンを大手メーカーに先駆けて発表できたのだ。
水滴型ノッチはフロントカメラ回りの無駄なスペース排除に有効だが、さらにノッチを小型化したディスプレイが登場した。「ホールノッチ」と呼ばれる、ディスプレイの中にカメラを埋め込んだ形状だ。ホールノッチなら無駄な空間はカメラの「穴」部分だけで、ノッチをより自然にディスプレイの中に埋め込ませることができる。ファーウェイとサムスンが同じ日にそれぞれ「Nova 4」「Galaxy A8s」として製品を発表しており、このデザインも今後各社に広がりを見せるだろう。
スマートフォンには電源やボリュームボタン、USB端子の穴などがあるのが当たり前だ。それらをすべて廃止した「ボタンレス」なスマートフォンがメイズの「Zero」である。充電はワイヤレス、Bluetoothヘッドフォンのみ対応でUSBやヘッドフォン端子を廃止。ボリュームなどは画面タッチのソフトキーを使う。スマートフォンのケースの設計も楽になるし、防水化も簡単になる。
腕にはめて使うスマートウォッチの欠点は画面が小さいこと。今でもスマートウォッチは一定の人気があるが、アプリを入れてスマートフォンのように使おうと考える人は少ないだろう。しかしNubiaの「Nubia α」なら4インチ、ウェアラブルデバイスとしては大型のディスプレイを搭載しスマートフォンのように広いエリアを自由に使える。専用アプリストアも登場予定で、腕にはめるスマートフォンとしての活用が期待できる。
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