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子会社を「時価総額」でランク付け--サイバーエージェント流の新規事業の育て方 - (page 2)

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リクルートと共同で新規事業創出プロジェクト

 CAは、リクルートと「FUSION」という新規事業創出プロジェクトを実施したこともある。両社で50人ずつほど社員を出し合って、セミナールームでお見合いイベントのように混合チームを作り、両社の強みを生かした新規事業を提案していくというものだ。

 その成果として、「Geppo(ゲッポウ)」という合弁会社が生まれた。Geppoは、元々CA内で運用していた人事部門主体のシステムで、社員が自分のコンディションを天気図で示したり、任意のフリーコメント欄に思うことを自由に記述するなどし、会社が社員のコンディションや要望、考えを吸い上げるための取り組みだという。システムをCAが作り、リクルートの販売網で販売している。CAでは、このような他社とのコラボレーションもしている。

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“勝手に始まる”新規事業も多い社内文化

 CAは、型にはまって新規事業を運営するのではなく、たくさん生まれてきたものを中央で集めて評価したり撤退させたりするという独自の文化を形成している。飯塚氏自身、どこでどのような新規事業が生まれているか把握しきれないほどだという。

 現場で生まれている事業内新規事業も、スタートアップJJJがカバーしている。「現場で勝手にやってもらっても大丈夫」(飯塚氏)ではあるが、事業内事業は数字が隠れやすいためだ。「JJJに出てくれば目立ってなかった事業を評価して子会社化することもあるし、撤退もしやすい。しっかり切り出して、JJJという全社視点で見ていく形にしている」(飯塚氏)。

会社としての判断基準を明確にすること

 飯塚氏は、「会社として新規事業に取り組む際には、判断基準を明確にすることが大切」という。具体的には、新規事業への挑戦は人材育成重視か、成功重視か、事業案重視か、人物像重視か。会社が決めないと現場がどのような気持ちで臨めばいいかわからなくなる。CAでもどのような目的で実施しているのか現場で話すようにしているという。

判断基準をどこに置くか
判断基準をどこに置くか

 新規事業コンテストでは、評価する際に事業案を提案した人間に能力や経験があるのかという問題が出てくる。逆にアイデアが微妙でも、人物を評価して優勝するというケースも生ずる。CAでは責任者(人柄):アイディアの比率でいうと、「人柄の比重を多めにしている」(飯塚氏)という。インターネット市場は環境の変化が早く、ビジネスモデル自体の業態変更も多いため、事業内容よりも責任者の人柄で判断することが多いとのことだ。

 また、アイデア段階で計画を求めすぎないようにしているという。IT産業は、やってみてから決めたほうが早いという側面があるためで、同様に事業案も詰めすぎないようにさせる。1案を2〜3分でプレゼンさせるレベルで、あまり細かい計画は立てさせずに評価している。「市場がありそうならやってみよう、やりながら考えようという身軽さがCAが新規事業を多く創出できているポイント」と飯塚氏はいう。

 新規事業に失敗はつきものだが、「いい人材が新規事業を失敗しても資産になる。周りにも、会社をつぶしている人間はたくさんいる」と飯塚氏は語る。経験が生きて重要な職についたり活躍したり、再度挑戦した際の成功確率が高まる。現場の社員には、失敗した人が居づらくならない雰囲気になるよう働きかけているという。

 最後に飯塚氏は重要なポイントを語った。それは、「仕組み自体をアップデートし続けていること」で、新規事業を生み出す仕組み自体を改善しているという。一例として、同社の新規事業コンテストも名前を変えながらその内容が常に変化していると説明した。「そもそも、今ここで話したことがCA内でずっと続くわけでもない。生み出し方や仕組み自体を、市場や会社の規模、社員の空気に合わせて変え続けることが重要」(飯塚氏)と話し、講演を締めくくった。

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