ソーシャルビデオアプリTikTokは、子供たちから個人情報を違法に収集していたことについて、570万ドル(約6億3000万円)の罰金を支払って米連邦取引委員会(FTC)と和解することに合意したという。
以前はMusical.lyとして知られていたTikTokは、人気の高い音楽ビデオに合わせて口パクする様子などを録画して、その動画を友達と共有できるリップシンク動画アプリだ。「iOS」と「Android」上でのダウンロード数は10億件を超えると報じられている。
FTCの米国時間2月27日付けの発表によると、13歳未満の児童の個人情報を保護者の同意を得ずに収集していた同アプリの運営者の行為が、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反していると判断したという。TikTokはさらに、保護者や子供たちから苦情を受けたときにその個人情報を削除していなかったと、FTCは述べた。
「過去最高額となる今回の罰金は、児童をターゲットとしたすべてのオンラインサービスおよびウェイサイトに対する戒めになるはずだ。われわれはCOPPAの施行を重大にとらえており、この法律を著しく無視する企業を放置することはできない」とFTCのJoe Simons委員長はプレスリリースで述べた。プレスリリースによると、今回の民事制裁金は、児童のプライバシーをめぐる事例に対して同委員会がこれまでに科した中で最高額だという。
TikTokはこの和解に伴い、27日から低年齢のユーザーには「その年齢層を特に対象として設計され、安全性とプライバシー保護が強化された、本来のアプリとは別の制限版」を提供すると述べた。「低年齢層向けのバージョンでは、個人情報の共有はできず、また、コンテンツとインタラクションに『広い範囲にわたる』制限が設けられる」とTikTokは述べた。
TikTokは27日、同アプリのコミュニティーガイドライン、プライバシー設定、デジタルウェルビーイングツールをユーザーに紹介する、安全に関する動画も公開した。
和解の一環として、同アプリは今後もCOPPAを遵守し、13歳未満の児童が作成した動画を削除することも求められる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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