Amazonは米国時間2月14日、ニューヨーク市に第2本社を建設する計画を撤回すると述べた。
第2本社「HQ2」の建設地は2018年11月、約1年に及ぶ公募と選定を経て、ニューヨーク市クイーンズ区のロングアイランドシティとバージニア州アーリントンの2カ所に決定したと発表された。Amazonはそれぞれ従業員2万5000人を収容するキャンパスを建設する計画を明らかにしていた。建設地は、名乗りを上げた200を超える都市の中から選定された。Amazonは2カ所の本社にそれぞれ25億ドル(約2800億円)を投入するとしていた。また、5000人規模の新しいセンターオブエクセレンス(COE)をナッシュビルに開設することも明らかにしていた。
しかしニューヨーク市の建設予定地に対し、地元の擁護団体やニューヨーク市議会、クイーンズ区選出のニューヨーク州上院議員Michael Gianaris氏や下院議員Alexandria Ocasio-Cortez氏ら議員が直ちに反対し、根強く批判を続けた。Amazonは、プロジェクト撤回の理由として州や地元政治家らの反対を挙げ、長期に及ぶ大規模なプロジェクトの遂行には「前向きで協調的な関係」が必要だと述べた。
Amazonは14日、「HQ2の候補地探しを再開するつもりはない」とし、「バージニア州北部とナッシュビルでは計画どおりに進め、米国とカナダの17のオフィスと技術拠点で採用と増員を続ける」と述べた。
Amazonは声明の内容以外にコメントすることを控えた。
Amazonは現在、ニューヨーク市で5000人以上を雇用しており、これらのチームを引き続き拡大していくとしている。
HQ2建設に対し、複数の抗議活動が展開され、Amazonの幹部らは2回の市議会ミーティングで厳しい批判を浴びた。議員らは、従業員の多くが労働組合に加入していないことや、米移民関税執行局との関係をやり玉にあげた。Amazonに提供されるおよそ30億ドル(約3300億円)の優遇措置も大いに懸念されていた。特にAmazonが莫大な規模を誇り、最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏が世界最大の資産家であることが指摘されていた。
HUGE victory for our community. People power wins, even against the world’s richest man! #NoAmazonNYC
— Make the Road NY (@MaketheRoadNY) 2019年2月14日
THANK YOU to @nychange @caaav @ALIGNny @nycDSA @DesisRisingUp @RWDSU @MPower_Change @JFREJNYC @PrimedOutNYC and more! https://t.co/xWKEvz0fvv
新キャンパス建設の撤回を検討していると報じられたことを受け、Amazonは8日の時点では、プロジェクトに関して「近隣地域との関わりに注力」すると述べていた。クイニピアック大学による12月の調査では、クイーンズ区住民の60%が同プロジェクトに賛成、26%が反対となり、新キャンパスの計画が強く支持されていることが見て取れた。
Andrew Cuomoニューヨーク州知事とBill de Blasioニューヨーク市長はAmazonの計画を支持していた。両氏は、多くの都市が誘致合戦を繰り広げたこのプロジェクトの獲得を推進していた。Cuomo知事は先週、HQ2に対する州議会上院の反対は「行政機関のミス」だと述べた。ニューヨーク市経済開発公社のJames Patchett会長も、白熱した市議会ミーティングで、HQ2プロジェクトの莫大なメリットを繰り返し指摘し、ニューヨークを将来的な景気後退から守り、技術拠点としての発展を後押しすると述べていた。
同市のテック業界の成長を推進する団体であるTech:NYCは、Amazonの決断を「地元経済に対する打撃」であるとした。
Our statement on Amazon’s decision to withdraw its #HQ2 from New York: pic.twitter.com/n0ehJh8NDJ
— Tech:NYC (@TechNYC) 2019年2月14日
Bankrate.comのシニア経済アナリストMark Hamrick氏は、Amazonが地元の反対に屈したと述べ、撤回の決断は家賃高騰などの長期的な問題の解決策にはならないとした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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