中国の深セン市に拠点を置くSenseNetsは、顔認識技術と群衆分析を提供する企業だ。それらの技術を使用して、人々を都市をまたいで追跡し、大規模な集団の中から抽出することができるとプロモーションビデオで豪語している。
しかし、GDI Foundationに所属するオランダ人セキュリティ研究者のVictor Gevers氏は現地時間2月13日、SenseNetsがそのデータベースをパスワードで保護していないことに気づいた。データベースには、人々のIDカード番号、住所、生年月日、SenseNetsの顔認識によって発見された場所など、人々に関する250万件以上の記録が含まれていた。
この24時間だけでも、680万件以上の位置情報がログに記録されたとGevers氏は述べた。誰でもこれらの記録を閲覧し、SenseNetsのリアルタイム顔認識に基づいて人の動きを追跡できることになる。
同氏によると、GDI FoundationはSenseNetsと連絡を取り、パスワードで保護されていないデータベース(2018年7月から公開されている)について警告したという。SenseNetsにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
記録された場所には、警察署、ホテル、観光地、公園、インターネットカフェ、モスクが含まれる、とGevers氏は述べた。同氏は中国中の人々を追跡する1039台の装置があることを発見した。
イスラム教徒が大部分を占める、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族を監視するカメラも見つかっている。同民族に対しては、中国政府による人権弾圧が行われているとして国際的な関心が強まっている。
編集部注:本記事において、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族を監視するカメラの存在などについて追記しました。ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びし、訂正いたします。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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