ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月7日、2019年3月期第3四半期の連結業績を発表した。累計(2018年4~12月)での売上収益は946億4600万円(前年同期比10.8%減)、営業利益は85億8300万円(同67.3%減)、純利益は80億700万円(同64.8%減)となった。
四半期ベースでは、売上収益が264億円(前四半期比19%減)、営業損益は21億円の赤字としている。決算説明会で登壇したディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏によれば、季節性の強いスポーツ事業のオフシーズンの影響が大きいとしたものの、スポーツ事業自体は、期初の通期見通しに沿った想定通りの推移と説明。一方、主力であるゲーム事業が軟調だったことに、大きな課題があるとした。
ゲーム事業について、第3四半期は売上収益198億円(前四半期比7%減)、営業利益が31億円(同34%減)。守安氏の説明によれば、特定のタイトルではなく全般的に既存タイトルが軟調に推移し、盛り上がりを期待した年末も振るわなかったという。利益面では一時的な会計処理に約8億円も計上したという。
ゲーム事業における通期の見通しとして、ユーザーの消費額を2000億、セグメント利益を250億円と想定していたが、現状の想定では、ユーザーの消費額が300億減の1700億、セグメント利益は69億円減の182億円と乖離があるという。第1四半期から出遅れ、第2四半期と第3四半期で巻き返す計画としていたが、第3四半期でユーザー消費額が低下したことが大きく、73億円のコストコントロールを行ったものの、カバーするに至らなかったとしている。
第4四半期については、現状1月が好調だったことや、2月と3月に主要タイトルの周年イベントが行われることを理由に、増収増益を見込む。守安氏は今後についてコストコントロールは継続して行いつつも、トップラインを伸ばすべく、新規タイトルの準備も進めていくという。
直近では、海外タイトルの日本配信を推進する取り組みの第2弾となる、中国NetEase Gamesのスマートフォンゲーム「永遠的七日之都」を、日本名「永遠の七日」として2019年春に配信予定。DeNAでは日本におけるパブリッシャーとして運営やマーケティング、カスタマーサポート、テキストローカライズを行うという。また集英社と共同出資会社の設立に合意。IPを活用したゲームは、新しいデジタルエンターテインメントサービスの共同開発を予定しているという。
新らたな柱の構築を掲げて取り組んでいるオートモーティブ事業の「MOV」(旧「タクベル」)については、2018年12月から東京都内の23区を中心としたエリアでサービスを開始。これにあわせて「0円タクシー」などといったPR施策と、年末の需要もあいまって、認知度や1日あたりの実車回数が一段階増えたと説明。また事業者向けサービスの付加価値に向けた取り組みのなかでは、ビッグデータの解析により道路単位でリアルタイムの需要を予測する開発中の「AI探客ナビ(仮称)」の実環境における実証実験では、「流し」における新人の生産性向上に好感触を得たとし、今後精度向上や効率的なナビゲーションができるように研究開発を進めていくという。
通期の業績予想について、2月5日付けで業績予想の下方修正を発表しており、売上収益は1258億円、営業利益は136億円、純利益は105億円としている。
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