身体を使うAR/VR体験がサンダンス映画祭で多数登場--新たな主流となるか - (page 3)

Joan E. Solsman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年02月12日 07時30分
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ユーザーの身体が主役

 サンダンス映画祭のプロジェクトの多くは、参加者の身体を使うことを前面に押し出している。

 「Grisaille」という作品では、アーティストのTeek Mach氏が作り出した仮想世界を通して、ユーザーを浮かび上がらせる。ユーザーが部屋に入ると、Mach氏はそこでVRペイントプログラムの「Tilt Brush」を使用してユーザーの姿を描く。Mach氏はこの1年間、実世界よりもVRの世界で長い時間を過ごした。Tilt Brushで作り出した世界の中で目覚められるよう、ヘッドセットを装着したままベッドに入り、眠るといった実験をした。

 「Interlooped」という作品は、ライブボリューメトリックキャプチャと呼ばれる手法を使用して、ユーザーとアーティストのMaria Guta氏のホログラムを作成する。Guta氏は幻覚のような体験の中で、脱構築され、フォルム化されたホログラムのユーザーをリードする。ユーザーはそれをリアルタイムで鑑賞する。これは、2人の人間によるライブボリューメトリックキャプチャが公の場で披露された初めての事例の1つだ。

 「Esperpento」という作品では、俳優の身体を使ってデジタルキャラクターを操る。このプロジェクトには、2つの壁とステージの床に投影される架空のディストピアの世界のほか、「Two Red Lights and One Black」という短い劇も含まれる。その劇中で、俳優は身体の動きによって、投影されたデジタルアバターのさまざまなパーツを制御する。1人の女性が手でジェスチャーをすると、壁に投影された肉付きのよい囚人の手も同時に動く。

 Esperpentoを制作したVictor Morales氏は、次のように語った。「実は、このショー、つまりすべての音声と俳優の演技を前もって録画して、その通りに演じさせたが、それでは物足りなく、録画したのと同じでもなかった。本当に重要なのは、テクノロジやその世界がどんなものなのかということではなく、役割を演じている人間、そして、それを演じる人間によってゲームや物語が変化するということだ」

 テクノロジによって個性に力を与え、個性を称えるというこのコンセプトは、VR、AR、そして複合現実(MR)技術のこれまでの発展の仕方に批判的な人々にとって、非常に大きな影響を与える。

 THE DIALの制作者であるPainter氏は、VR/AR/MR業界が「人々の行動を過度に単純化させる方向に向かっている」ことを懸念しているという。

 「明日、リビングルームで実際に体験できないのなら、その技術の開発に時間を費やすべきではない、と考えている人が多すぎる。明日提供できるようなものを単純なヘッドセットに詰め込むという方向に皆が進めば、ゾンビを撃ち殺すゲームをする脳しかない人間になってしまうだろう」(同氏)

 「私にとって、この分野の本質は、そういうことではない。これは、私たちとテクノロジの関係をリセットするチャンスなのだ」(同氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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