自走する車イスがエレベーターを使って目的地へ--WHILL、屋内で自動運転の実証実験

 WHILLは2月1日、三菱地所とSAPジャパンが同日オープンしたコラボラティブスペース「Inspired.Lab」において、「WHILL自動運転システム」を利用した実証実験を、三菱電機、Liquidと共同で実施すると発表した。

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自動運転機能を備えた「WHILL Model C」

 同社は、MaaS事業を事業の柱のひとつとして位置づけ、障害の有無や年齢に関わらず、誰もが乗れる一人乗りモビリティを提供することで、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の最適化を目指している。

 これまで、空港などでの利用を視野に入れた、自動停止・自動運転機能を持つパーソナルモビリティ「WHILL自動運転システム」などを開発。小田急グループほか4社とのMaaS連携を進めるなどの試みを行ってきた。

 同実験では、三菱電機と連携し、建物内のエレベーターと同社が通信回線でつながることで、無人の電動車椅子・パーソナルモビリティ「WHILL」における自動走行について検証する。具体的には、WHILLがエレベーターに近づくとその階でエレベーターが停止、扉の開閉を行い、目的の階までWHILLを送り届けるという。

 これにより、これまでのシステムでは同一の階でしかできなかった自動走行が、異なる階をまたいで可能になり、自動走行で建物内のあらゆる場所に行くことが可能となる。特定の場所にWHILLが利用者を迎えに行く、目的地まで到着した後に乗り捨てられたWHILLが自動で待機場所に戻ってくるといった運用が可能。

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アプリで呼び出すことで自動でユーザーの元まで迎えに来る

 また、生体認証技術を持つLiquidと連携し、建物のセキュリティシステムとWHILLの連携も実験する。これは、ドアロックを自動で解除し、セキュリティエリアの内外を「WHILL」が自由に通行できるような運用を想定している。

 将来的には、建物外など公道での自動走行も見据えているほか、パーソナルモビリティとファシリティの連携ノウハウを、物流ロボット、清掃ロボット、警備ロボットなどと建物の連携に生かしたいとしている。

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