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スマート送迎アプリ「CREW」が安全対策を強化--与論島でも定期導入へ

藤井涼 (編集部) 飯塚 直2019年02月01日 13時00分
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 Azitは2月1日、同社が運営するスマート送迎アプリ「CREW(クルー)」において、利用者の安全性を強化する取り組みを発表した。これにともなうシステム増強や機能強化のために、約1カ月間サービスを停止していたが、同日より提供を再開する。

スマート送迎アプリ「CREW(クルー)」
スマート送迎アプリ「CREW(クルー)」

 CREWは、車に乗りたい人と乗せたい人をつなげるモビリティプラットフォームサービス。アプリ上で出発点と到着点を設定すると、近くを走るCREWパートナー(一般ドライバー)とマッチングされる。利用者は実費とシステム利用料を支払うほか、任意で謝礼を支払うことも可能。また、利用者とドライバーそれぞれが相互に評価できる。現在はサービス利用可能時間を20時〜深夜3時に限定して、東京都の一部で提供している。

 同社ではユーザー数を公表していないが、車や運転が好きな人が日中は働き、サービス提供時間の20時以降にCREWでライダーを乗せるといった使われ方が多いと説明。実費はライダーに負担してもらえるため、運転しながら会話などのコミュニケーションを楽しみたいドライバーに好評だという。謝礼の上限は1万円までで、ほとんどの人がいくらかの謝礼を支払っているとのこと。謝礼が0円だったとしてもマッチング率に影響はないという。

SOSボタンや健康管理支援など安心安全施策

 同社では、システムに関する新たな取り組みとして、(1)乗車前・乗車後の法令遵守事項の確認、(2)シートベルト着用未確認時のアラート、(3)異常事態の発生検知、(4)SOSボタンの搭載を実施。また、ドライバーとライダーに関する取り組みとして、(1)ドライバーの健康管理支援、(2)ドライバーへの安心安全講習会の実施、(3)ドライバーの審査の改善、(4)ライダーに対するペナルティルールの強化、(5)主体的なパトロールの実施を発表した。

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 これまでCREWでは法令遵守の観点から、車内で謝礼の金額や謝礼のシステムに関して執拗にドライバーに質問するなどの行為を控えるように伝えていたが、今後は車内での謝礼についての会話を禁止。加えて、謝礼についての具体的な会話の禁止を通知する画面をアプリ上に設けた。仮にライダーが任意の謝礼について車内で執拗にヒアリングするといった行為や、ドライバーが謝礼を強要するような行為が発見された場合には、リサーチチームによる調査の実施や、内容によってはアプリの利用停止も含めたペナルティ措置をとるという。

 ドライブ開始前にアプリ上で確認していたシートベルト着用についても、今後はシートベルト着用の確認が取れなかった場合にアラートを出すように変更された。また、緊急事態に直面した際に利用者をサポートする機能として「SOSボタン」を搭載。ドライブ中はアプリ上に常時表示されており、利用時は安心安全管理オペレーターがリアルタイムに現在地を把握しながら、迅速に利用者に連絡しつつ、必要に応じて警察へ通報するという。

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さまざまな安心安全機能を実装

 ドライバーがアプリを起動すると直後に、その日の健康状態や車両状態を確認する機能も搭載する。1月からは試験的にドライバーにアルコール検知器を配布しており、今後の定常的な導入を検討する。現在CREWに登録しているすべてのドライバーとの、対面による安心安全講習会も実施し、参加者のみが2月以降のドライブが可能となるという。さらに、これまでは登録時の審査や登録後の各種証書(免許証・車検証・任意保険証)の確認をしていたが、今後は毎年の運転状況や健康状態などの更新確認もする。

 同社では今後、ドライバーとライダー双方において、定期的にパトロールをするという。具体的には、CREW運営スタッフが自らサービスを利用し、不適切な利用がないかなどを確認。必要に応じてフィードバックや改善をするとしている。発生事象によっては、利用停止などの措置も視野に入れた対応を実施するという。

「CREW」を鹿児島県・与論島が定期導入へ

 Azitは同日、ヨロン島観光協会、南運輸と、4月以降に鹿児島県の与論島においてCREWを定常的に提供することで合意したことも発表した。

 鹿児島県の与論島には、白い砂浜やサンゴ礁、大潮の干潮時に出現する砂だけの島「百合ヶ浜」などを求めて、毎年多くの観光客が訪れるという。2017年は3年前に比べて約130%増の約7万3000名が訪れたが、公共交通機関はバス1路線、タクシー8台しかなく、観光客の移動需要を満たすことが難しい状況だという。

 そこで同社は、2018年8月に1カ月間にわたり、与論島において公共交通機関の不足を解決するための実証実験を実施。その結果、台風などの影響があったものの、総ライド数は約130kmと、多くの観光客に利用されたという。利用者双方からの評価も高く、運営主体であるヨロン島観光協会やタクシー事業者の強い意向もあり、観光ハイシーズンである4〜10月にかけて、CREWを定常的に提供することを決定した。

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 なお、実証実験時は自家用車の配車サービスのみを提供していたが、4月以降はCREWアプリ内でタクシー配車も可能になるという。道路運送法で定める自家用有償旅客運送の枠組みでの実施についても視野に入れているという。同一アプリで、タクシーと自家用車の配車が可能になった場合、国内初の事例になるとのこと。

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