ソフトバンクグループならびにソフトバンクは、「(仮称)竹芝地区開発計画」において東急不動産が開発するオフィスビルへ、2020年度中に本社を移転すると発表した。同社ではワークスタイルのさらなる変革とBCP(事業継続計画)の強化を目的としたもので、新オフィスは、コミュニティ型ワークスペースを展開するWeWorkがデザインを行うという。
このビルでは、ソフトバンクと東急不動産が、AIやIoTを活用してビル内外の人流データや環境データを収集・解析し、快適な環境整備と効率的なビル管理に役立てるスマートビルのモデルケースとして構築する。このモデルケースで得た知見をもとに、ソフトバンクはさまざまなビルの所有者などを対象にスマートビルの構築や、企業や団体に向け新たなワークスタイルに関する提案を行う。東急不動産はスマートビルの構築ノウハウを他の物件にも展開していく予定という。
新オフィスでは、WeWorkにおける設備の効率的な活用方法などのデータを参考にデザイン。部署をまたいだオープンイノベーションの創出を目指すほか、全国にあるWeWorkの拠点を最大限に活用し、場所や空間、コミュニティに縛られないイノベーティブかつクリエーティブな働き方に取り組むという。
スマートビルでは、テラスやフリースペース、その他共用部分などの屋内外に設置された多数のカメラやIoTセンサーにより、温度や湿度、CO2(二酸化炭素)濃度などの環境情報のほか、ビル内や周辺の人流データ、混雑情報などを、ソフトバンクのIoTプラットフォームに収集し、リアルタイムで解析。ソフトバンクと東急不動産は、このプラットフォームを活用して、トイレやフリースペース、飲食店の混雑情報などをウェブサイトやサイネージなどで訪問者に提供。また、これらの情報を警備員の効果的な配置や設備点検の効率化などに役立てる。
ビルのテナントには、これらの情報を取得できるAPIを提供。このビルにオフィスを構える企業は、トイレの空き状況を社内のポータルサイトに掲載したり、エントランス付近の混雑予測から社員に最適な通勤時間を提案することも可能。飲食店などは、ビル内外の混雑情報を割引サービスなどの集客施策の検討に活用できるようになるという。
ビル内やテラスの映像解析で不審者や異常な行動が検知された場合、屋内位置情報システムを活用し、最も近くにいる警備員に状況を自動で通知。迅速かつ効率的な警備を実現する。さらに、動画顔認証システムをセキュリティシステムとの連携により、社員がICカードなどをゲートにかざすことなくスムーズに入館可能になるという。
ビルは地上40階、地下2階で高さ約208m。施工は鹿島建設で、竣工は2020年5月を予定している。
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