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2019年は「仕込み」が花咲く年に--LINE出澤社長と舛田氏にインタビュー - (page 3)

藤井涼 (編集部) 山川晶之 (編集部) 阿久津良和2019年01月01日 10時00分
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舛田氏 2018年はClova WAVEから始まりClova Friends、そしてClova Friends miniと展開しています。そこでミニオンズ版やドラえもん版といったキャラクターをあしらうと売れ行きが向上することが確認できました。ただ、重要なのはバックエンド側。基本精度を高めるため多くのリソースを投入することで、音声認識や音声合成、応答速度も競合他社製品と比べても遜色がなくなってきました。場合によってはClovaが上回るケースもあります。

 2019年はスマートディスプレイ「Clova Desk」をお見せできると思います。(取材した2018年12月25日時点では)社内テストを開始し、社内調査でもスマートディスプレイの方がアクティブユーザー数が増えることが分かりました。国ごとで異なりますが、同様の傾向が見られます。

 あとはClovaのR&Dとして深層学習を用いたLINE各サービスへの展開でしょうか。LINEショッピングの「ショッピングレンズ」(スマートフォンで撮影したアイテムに似た商品を検索する機能)も、Clovaの画像認識部分を実装したものです。弊社が持つ技術をウェブ上で公開したところ、外部パートナーからのお声がけも増えてきました。ClovaモジュールのBtoB提供に対する需要を踏まえつつ、LINEサービスへの展開やBtoCの3方に対する展開が明確になっています。

 トヨタ自動車との協業ですが、車載器とスマートフォンを連携するSDL(Smart Device Link)の規格開発を進めています。Clovaが車内のパーソナルアシスタントとして働き、2019年夏ごろ提供予定のナビゲーション機能も弊社とトヨタ自動車が持つデータを掛け合わせ、効率性の向上を目指してきました。現在鋭意開発中です。

――スマートスピーカーやスマートディスプレイと多数の製品が市場投入されていますが、どの程度浸透していると考えていますか。

舛田氏 スマートスピーカーの普及率、パーソナルアシスタントの普及率、両者の観点から見ても、日本は諸外国に比べて遅れています。現状は各プレーヤーも理解しており、背景には文化的ではなく環境の問題があるのではないかと。スマートスピーカーやパーソナルアシスタントの特徴を示す上で分かりやすいのは家電の操作です。

 ですが、とある調査でIoT家具やスマート家電の普及率は1桁パーセント。わざわざスマートスピーカーのために家電を買い換える方は皆無でしょう。今後はスマート家電の普及は段階的に進み、我々はホームIoTサービス「Clova Home」を通じて、各社とコミュニケーションを取りながら、2020年に向けてアクセルを踏んでいきます。これでスマートスピーカーの普及環境が整うでしょう。

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LINEが渋谷公会堂のネーミングライツを取得

――コンテンツ関連サービスについても聞かせてください。LINEチケットなどを通じて目指している世界はどのようなものでしょうか。

舛田氏 チケットは長年にわたり紙という同じ仕組みを使ってきました。購入者と入場者が異なる転売問題も、エンゲージメントの観点からも芳しくありません。対策の一環として電子化に取り組みました。2018年中にスタートできた「公式リセール機能(二次販売)」については大きな成果だと感じました。各種チケット販売の初速も悪くありません。2019年はチケット販売のラインナップ充実を目指します。

 渋谷公会堂は"ある種の聖地"とされてきましたが、弊社が(ネーミングライツ取得のため)提案したのは「最先端でなければならない」というものでした。現時点および今後も含めて、チケットもライブ配信もLINE Payもクーポンもビーコンも、研究的に新しい取り組みを進めています。O2O(Online to Offline)が加わることで、エンターテインメントをより良いものに変化させることを目標としています。

――2018年11月から提供を停止していた「LINE QUICK GAME」が再開しました。ユーザーの反応はいかがでしたか。

出澤氏 確認できたのは「たまごっち」みたいなタイトルが若い方に使っていただき、再開後もユーザーが遊んでくれたことに、コンテンツ内サービスの一種として手応えを感じています。

舛田氏 弊社はプラットフォーマーとしての取り組みを重視し、成長を目指すためのルールや戦略は欠かせませんが、パートナーとの関係性を破損しては意味がありません。そこにはコミュニケーションが必要であり、オープンであるからこそズレが生じます。話し合いを重ねるしかありません。

――それでは最後に2019年の展望を。来年もワクワクさせていただけるのでしょうか。

舛田氏 2018年は仕込みの年と申し上げましたが、あくまでの次なる挑戦への準備です。組織としても積極的に取り組むため、スモールチームで加速させることを目指しました。ただ、改めて社内に発しているメッセージが「プロダクトファースト」です。たとえばメッセンジャーとしての使い心地もアップデートしなければなりません。洗練されると同時に驚きが必要です。我々自身が楽しみながら皆さんに「やり過ぎ」と言われないように、金融やエンターテインメントなど幅広く挑戦していきます。

出澤氏 2019年は経済状況を中心に大きく変化すると思います。金融やモバイル決済も今後数年で大きく変化するため、我々が準備してきたものが、多面的なソリューションとして社会に提案し、花を咲かせるように尽力します。

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