GMOインターネットは12月25日、仮想通貨マイニング事業に関して約355億円の特別損失を計上したと発表した。同社では、自社でのマイニングとマイニングマシンの開発・製造・販売事業の2本柱で、仮想通貨マイニング事業を展開している。
自社マイニング事業は、2017年12月に同社子会社でスイス法人のGMO-Z.com Switzerland AGと、その傘下の外国法人2社にてマイニングセンターの運営を開始。しかし、仮想通貨レートの下落や、想定以上のグローバルハッシュレートの上昇などにより、計画通りのマイニングシェアが得られず、収益性が悪化していた。
こうした事業環境の変化から、事業用資産の簿価の全額を回収することが困難と判断し、特別損失を計上。連結決算では、外国法人2社が保有する事業用資産につき、見積もり将来キャッシュフローの現在の価値を算定した結果として約115億円の損失を計上するほか、スイス法人撤退に伴う子会社の株式売却損などで、個別決算にて約140億円の損失を計上する。
また、マイニングマシン関連事業では、自社開発のマイニングマシン「GMOマイナーB2」を手がけており、マシンに搭載するASICのデザイン、製造、組み立てなど製造プロセスを進めていたものの、仮想通貨価格の下落による需要減の影響で、マイニングマシン市場は販売価格が下落。事業に関する資産を外部販売で回収することは困難と判断し、開発・製造・販売を中止することにしたという。
連結・個別決算で、債権譲渡損約175億円、貸倒引当金繰入約35億円を含む、約240億円を特別損失として計上。また、マイニングマシン購入のために開発会社に支払った製造資金は前渡金として処理し、債権譲渡などはその前渡金になるという。債権については、谷電機工業が保有するSPC「合同会社MP18」に譲渡。譲渡額については非開示としている。
自社マイニング事業は、マイニングマシンの減価償却費、電力代がおもな営業費用となる。第3四半期における償却費は、3カ月合計で8.8億円に相当する。業績に与える影響額の詳細については決まり次第開示するという。また、マイニングセンターをより安価に電力を調達できる地域への移転の検討も始めており、収益構造を再構築した上で、マイニング事業を統括法人として継続する。なお、マイニングマシンの開発・製造・販売事業は今後実施しないという。
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