ここまでも、ブロックチェーンが起こす世界の変化について触れられていたが、次の「ブロックチェーンが発展した日本の未来」というテーマでは、10年後という時間軸でブロックチェーンがどのように社会に実装されるかについて議論が進められた。
佐藤氏は「利益回収モデルについて、これまでの概念とは違う形でインセンティブが設計されていると、それに関わるユーザーやデベロッパーのリターン構造も変わってくる」と未来予想図を述べた。一方、福島氏は自らもブロックチェーン事業に取り組んでいる立場から、厳しい面もあるとしながらも、「信頼しなくてもいい取引がどんどん増えていくことで、国など関係なく、全てが相対化されることが夢」だと語った。
大日方氏も福島氏の考えに賛同し、「日本は外国人がすごく暮らしにくい国になっている。家やクレジットカード一つ作るのもすごく大変。個人的にはそれをどんどん解決していきたい。また、国という観点では、FinTechやブロックチェーンは日本が先駆者なため、世界でも注目される人が日本から生まれるチャンスがある領域」と自身の考えを述べた。
最後にこれからブロックチェーン領域にチャレンジしたい人に向けて、スピーカーたちがメッセージをおくった。
まず、モデレーターの平野氏は、「ブロックチェーン領域は10年単位で非常に重要度が高く、これからチャレンジするには良い領域だ」と語る。続いて大日方氏は、ブロックチェーン領域はまだアーリー段階であると前置きした上で、「1994年頃のウェブサイトの数と、現在公開されているトークンやタップスの公開数が同じくらい。黎明期の段階だからこそチャンスがある」と語った。
福島氏は、現状ブロックチェーンやその周辺領域のビジネスは、世界規模で“全負け状態”であるとの見方を示す。しかし、それを乗り越えることができた企業は、今後GoogleやAmazonなどのテックジャイアントと同じポジションをとれるのではないかと語った。佐藤氏は、ブロックチェーン領域は「社会実装するための解像度がちょっとずつ高まっている状況にある市場。いかにその中で重要な情報を得ながら実現できる事業設計をしていくかが重要だ」と述べた。
最後に平野氏は、「コインベースが初期のFacebookやGoogleより速いスピードで成長しているという事実を知ることで、ブロックチェーンに興味を持たなければいけないと思ってほしい」と会場に呼びかけ、トークセッションを締めくくった。
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