揺れる、曲がる、色づく――AGCが今までの常識を覆す、新たなガラスの形を技術企画展「AGC Collaboration Exhibition 2018」で披露している。会場には、クリエイターとAGCの技術者が組み、新たなプロトタイプを製作した「ANIMATED」と、オープンイノベーションプラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」を活用した「GLASS INNOVATION CHALLENGE」の2つの展示コーナーを用意。いずれもオープンイノベーションを進め、今後新しい協創製品を生み出す考えだ。
AGCでは、11月に協創プロジェクト「SILICA(シリカ)」を始動。AGCが持つ「化学強化技術」「コーティング技術」「挟込み成形技術」を題材に、クリエイティブパートナーと協創し、技術の新たな見せ方を提案する。ANIMATEDとGLASS INNOVATION CHALLENGEは、SILICAで実施した2つの活動成果になる。
AGC 代表取締役兼専務執行役員CTOの平井良典氏は「21世紀に入り、いろいろなことが加速し、何が求められているのか見えづらい時代になった。以前はほしいものが明確で、じっくりと開発し、製品化できたが、その確実性が失われている。そんな時代においてすべてを自前で開発、製品化する自前主義は成り立たなくなっている。社会が変化するスピードが加速する中、開発のスピードも上げる必要があり、そのために必要なものとしてオープンイノベーション戦略を進めてきた」と説明した。
AGCでは、1995年に米国のベンチャープログラムに参画。ベンチャー投資を長く続けており、現在は欧州、中国、シンガポールにも拠点を拡大し、「グローバルテクノロジーネットワーキング活動」を展開している。「このほか、社内でも開発部隊とマーケターをつなぐ、マーケットとAGCをつなぐ活動を推進している。オープンイノベーションの鍵になる言葉は『つなぐ』」(平井氏)と位置づける。
2020年6月には、横浜市鶴見区に新研究開発棟を設立。現在2カ所に分散している研究開発組織をまとめる計画で、基礎開発から商品化、設備開発までを一貫して担う拠点となる予定だ。平井氏は「社内だけでなく、外部と社内をつなぐことも強く意識している。新研究開発棟にはパートナー企業や大学、研究機関とコラボができる協創スペースを準備する」と、2020年までのビジョンを描く。
AGC Collaboration Exhibition 2018は、2019年3月1日まで東京・京橋のAGC Studio(東京都中央区京橋2-5-18 京橋創生館1・2階)で開催。入場は無料だ。
ディレクションはオープンコラボレーションを通じてウェブ、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・エージェンシーであるロフトワークが担当しており、企画協力としてA(エイス)が参加している。
Aは、企画を求める企業とスキルを持つ個人をつなぎ、新規事業を生み出すプラットフォームWemakeを運営。GLASS INNOVATION CHALLENGEにて、異分野、異業種で活躍するプロフェッショナルから事業コンセプトを公募、選抜し、AGC社員と協創する役割を果たした。
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