プレイドの顧客体験プラットフォーム「KARTE」が目指すのは“事実のペルソナ” - (page 2)

「妄想のペルソナ」と「事実のペルソナ」

 では、KARTEとの相性が良い企業・業種はあるのだろうか。藤井の質問に対し「ECのお客様もいれば、金融、メディア、メーカー、人材関連など本当に幅広い企業にご利用いただいている」と梅村氏は答えた。

 ただ、導入にあたって注意すべきは「KARTEを使って何がしたいか」を明確にすべき点という。「率直にいって、KARTEを導入したからといって明日から売上がアップする訳ではない。業務上の課題があって、それを解決するためにKARTEがある。お客様のことをもっと知りたいとか、なんらかの目的を持つべき」(梅村氏)。

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 もちろん、KARTEの導入サポートは積極的に行われている。導入企業の担当者を集めてのミーティングはまさにその一例だ。その席では、スポーツ用品大手であるミズノの担当者から「何を買ってもらうかより、誰に買ってもらうかが重要だった」といった声も聞かれ、梅村氏自身大いに影響を受けたという。

 「デジタルマーケティングではいわゆる“ペルソナ”を考え、そこに合わせて施策を考えることが多い。しかし、ペルソナはある意味、マーケターの妄想が半分くらい入っている。そこへ施策を打ってもあたる確率は低い。妄想のペルソナではなく、事実のペルソナを作るために、KARTEでお客様をしっかり把握することが重要だ」(梅村氏)。

 KARTEではさまざまな企業の成功事例をナレッジデータベースにまとめて公開している。CXはユーザーと企業の全接点を統合的に管理することが重要であり、例えば販売部門だけ、サポート部門だけで考えを巡らせるには限界がある。データベースには、部署横断での事例が数多くまとめられているので、「なにから手を付けてよいか分からない」といったマーケターはぜひ参照してほしいと梅村氏は呼びかけた。なお、一部の事例はKARTEのウェブサイトで誰でも閲覧できる。

KARTEの活用事例をまとめたナレッジデータベース
KARTEの活用事例をまとめたナレッジデータベース

 また、梅村氏はKARTEの課題として、導入企業向けサポートのさらなる拡充を掲げる。KARTEは現状でも多機能・多用途な製品だが、それゆえか「すべて全自動でマーケティング施策を回せないか」という要望も導入企業からまま寄せられているという。まずはナレッジデータベースやミートアップを活用し、マーケターに安心してKARTEを使ってもらえる環境作りを目指すとした。

CXの改善で、業績も上がる

 ウェブに始まり、アプリへと解析対象を広げてきたKARTEが、次に目指すのはリアル店舗連携だ。ユーザーの位置情報を使って、店舗周辺にいるユーザーにのみプッシュ通知するといった取り組みは、すでに始めている。

 最後に講演のタイトルでもある、「心を掴むCX」とは何かという質問が飛んだ。梅村氏は個人的な考えと前置きしつつ「CXは恐らくデジタルの世界だけでは完結しない」と語る。ユーザーはウェブと現実の世界をまたいで生活しているのが実態で、究極的には「ウェブとリアルを意識させない」あるいは「ウェブとリアルが一体となって1つの価値を提供する」ことが重要ではないかとの見解を示した。

 また会場で聴講するマーケターに向けたメッセージとして、CXは企業の業績に直接貢献できることを強くアピールした。一般的に、CXは顧客満足の向上には効果があるものの、売上などの企業業績との連動性については不明な点が多かった。しかし、米国の調査会社Forresterは、CXの向上に取り組んでいる企業ほど成長率が高いというレポートを出している。

 「CX向上の取り組みが、売上に寄与するという傾向は間違いなくある。エンドユーザーがハッピーになって、結果、企業の成果も上がれば、互いが幸せ。機会があればぜひKARTEと一緒に取り組んでいただきたい」──梅村氏はそう述べ、講演を締めくくった。

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