音声アシスタント「Alexa」に対応した電子レンジ「AmazonBasics Microwave」。59.99ドル(約6740円)でこれを購入すれば、「Alexa、85gのポップコーンをチンして」と言うのを試せるようになる。感想を言うと、わりと自然な操作に思える。ただし、当然ながら、時間の節約になるわけではない。結局、レンジの扉を開けて材料を入れるまでは、自分でやらなければならない。それでも、あらゆるものがつながり、音声で動かせる世界において、目に見える前進だとは言えそうだ。
もうひとつ、念のため付け加えておくと、AmazonBasics Microwave(米国内で現在、Amazon.comで購入できる)にマイクは内蔵されていない。コマンドを認識させるには「Echo」スピーカをそばに置く必要がある。
AmazonBasics Microwaveは、Amazonが新たに発表した「Alexa Connect Kit」を利用する初めての製品群のひとつだ。Alexa Connect Kitは、サードパーティーのデバイスメーカーを対象として、Alexaのコマンドを他社製品に取り込みやすくできるように設計されている。したがって、AmazonBasics Microwaveは、消費者に買いたい気にさせることを狙ってはいるが、概念実証という性格が強い。電子レンジだけでなく、同類の他の製品も登場する可能性は高い。
AmazonBasics Microwaveは、それほど広くない1人か2人の世帯に向いているだろう。定格出力700ワット、容量は20リットルほどなので、4人家族では物足りないからだ。価格もそれに見合っているが、米国の場合、電子レンジのレシピはたいてい1000ワットモデルを前提にしているので注意しよう。使い始めのうちは、ある程度の試行錯誤が必要になりそうだし、プリセットのAlexaコマンドで常にベストの調理ができるとは限らない。
Amazonからすれば、リピーターの売り上げにつながり、ユーザーにとっては利便性がいくらか向上するとされている、ポップコーンの自動再注文オプション機能もある。電子レンジとして完璧ではないが、良い点もいろいろあり、Amazonは今後もソフトウェアアップデートを通じてプリセットとその他の機能を改良するとしている。いつになるか分からない今後のアップデートを約束されても、筆者はそれで製品を推薦したりはしないのだが、現時点での機能に基づいて言うと、AmazonBasics Microwaveは推薦できる。同じ価格帯の他製品にはない便利な機能を考えれば、低リスクの投資と言える。ただ、低出力での調理をいろいろ試す心づもりは必要だ。
約60ドルという価格は、700ワット20リットルクラスの標準的な電子レンジとしては、Amazonで見る限り、相場に近い。Alexaに対応するAmazonBasics仕様だからといって割高になるわけではないので、買って損をすることはないだろう。
このサイズと出力の電子レンジだと、一度に調理できる量に限りがある。カットしていないベーコン4枚をAmazonBasics Microwaveで調理してみたが、庫内で回転するときに内壁をこするので、たいていは後始末が大変だった。高出力の電子レンジより、調理時間も長くなる。これがAlexa対応だからというだけで、1000ワットの電子レンジからダウングレードして買い換える気にはなれない。第一、20リットルクラスでも、同じ価格で定格出力1000ワットの製品は見つかる。
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