米政府は同盟諸国の携帯通信事業者やインターネット事業者に対して、華為(ファーウェイ)の機器を使用しないよう呼びかけているという。
The Wall Street Journalが米国時間11月22日、複数の匿名情報筋から入手した情報として伝えたところによると、米政府の関係者らはこういった要請を、ファーウェイの機器を既に採用しているドイツやイタリア、日本をはじめとする友好国の政府機関や通信関連企業の幹部に対して行ったという。
米国は、米軍基地が設置されている国におけるファーウェイ機器の使用について特に懸念しているという。たいていの場合、機密レベルの低い通信は商用ネットワークを経由することで、中国によって干渉される可能性があるためだ。
またThe Wall Street Journalは、中国製の機器を使用しない発展途上国における通信分野の開発事業に対する資金援助の拡大を米国が検討しているとも伝えている。
ファーウェイの広報担当者はこの記事について、「ファーウェイは、記事中で詳細に報じられた米国政府の行動に驚いている。政府の行動が自らの管轄権を越えたものである場合、そうした活動は奨励されるべきではない」と電子メールで述べた。
「当社のパートナーと顧客は自らの判断、そして、ファーウェイと付き合ってきた経験に基づいて、適切な選択をしてくれるとファーウェイは強く信じている」(同社)
米国家安全保障局(NSA)関係者は11月上旬、中国が米国に対するサイバー監視を停止するとした2015年の合意の枠組みを大幅に逸脱していると述べていた。
その発言の前には、Donald Trump大統領が個人的に所有する「iPhone」が中国のスパイに盗聴されていたとの報道を受けて、中国が同大統領にファーウェイに乗り換えてはどうかと提案したこともあった。Trump大統領と中国は、米国が中国との貿易戦争に突入して以来、緊張関係にある。
10月、AppleとAmazonのデータセンターの機器に監視目的のマイクロチップが製造工程で組み込まれていたと報じられた。中国と両社はこれを強く否定している。
先週には、ファーウェイのスマートフォンを使う中国人は通常、同国のiPhoneユーザーよりも豊かで教育水準が高いことを示唆する調査結果が報じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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