シリコンバレーはこれまで、「素早く行動し破壊する」ためのかなりの自由度を享受していたかもしれない。しかし、ハイテク大手企業が自由に動ける時代は近いうちに終わりを迎える可能性がある。
そう述べるのは、Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏だ。同氏は、ハイテク業界の規制は今や「避けられない」としている。
世界最大規模の時価総額を誇る企業のCEOである同氏は、米国時間11月17日夜にHBOで放送されたAxiosとのインタビューで、シリコンバレーに警鐘を鳴らした。
「一般的に言えば、私は規制があまり好きではない」と、同氏はカリフォルニア州クパチーノにあるApple本社からの中継で発言した。「私は自由市場を大いに信じている。しかし、自由市場が機能していない時にはそれを認めなければならない。そしてここではそれが機能していない。何らかの規制が設けられることは避けられないと私は考えている」(Cook氏)
シリコンバレーの多様性について同氏は、「性別の観点からは、シリコンバレーは一定の水準に達していない」と思うが、改善に向かっているとした。
プライバシーについては、ハイテク業界は「プライバシーか利益か、プライバシーか技術革新かという構図でこの問題を見てはいけない。それは誤った選択だ。われわれが実践しているのは、デバイスの中にはユーザーに関する大量の情報があるが、その全てを企業として保有する必要はないという考え方だ」と述べた。
スマートフォン依存の問題については、自身が今でも毎日「数時間」はスマートフォンをいじっていることを認めつつ、自分の使用傾向に注意することで、スマートフォンを手にする回数が減ってきたと述べた。
そして、技術の力は善か悪かについては、利用する人次第だとした。
「よく言われるように、技術はそれを開発した人によって善にも悪にもなる」とCook氏は述べ、「多くの場合、その開発者が悪をなすような人だというわけではない。悪用される可能性を予測していなかったことが原因だ」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」