鍵の締め忘れを玄関先で知らせてくれるIoT機器が登場した。YKK APは11月12日、窓、ドアのセンサとスマートフォンをつなぐ戸締り安心システム「mimott(ミモット)」を発表した。発売は2019年1月。
ミモットは、「玄関ドア スマートコントロールキー」「引違い窓用クレセントセンサー」「勝手口ドア用サムターンセンサー」とWi-Fi機能付きブロードバンドルータと接続する受信機から構成されるIoTシステム。玄関ドアや窓に取り付けられたセンサが受信機につながり、専用クラウドサーバを通じて、スマートフォンに通知が届く仕組みだ。
YKK APによると、外出先で玄関ドアや窓のカギの締め忘れが気になったことがある人は79%に上り、実際の侵入盗の手口も、カギの締め忘れが45%でトップになっているとのこと。YKK AP 代表取締役社長の堀秀充氏は「玄関ドアは鍵が2つついており、上下の鍵を時間内に開けないと締まるため、ピッキングはほぼ不可能。複層ガラスと補助錠による対策で、ガラス破りも難しい。私たちはハードの進化によって、防犯対策を進めてきたが、鍵の締め忘れはハードではどうすることもできなかった。しかしITの進化によってスマートフォンを使うことでこの問題が解決できると考えた」と、ミモット開発の経緯を話す。
ミモットでは、玄関の電気錠を施錠したタイミングで、センサのついた窓や勝手口の施錠をチェック、締め忘れた箇所があるとスマートフォンに通知するため、玄関先で、鍵の締め忘れを確認することが可能。玄関が電気錠ではない場合や、玄関の施錠自体を忘れた場合は、スマートフォンのGPS機能と連動させることで、通知が届くという。
引違い窓用クレセントセンサーと勝手口ドア用サムターンセンサーの取り付けは、既存のクレセントと取り替えるだけの簡単設置を実現。鍵を開け締めする動きによって、微弱な電気を発電し、電波を送ることで、電池と配線がいらないシステムになっている。
スマートロックのように遠隔からの解施錠には対応しておらず、あくまで締め忘れの通知が目的。電気錠の鍵IDから子どもの帰宅を知らせたり、離れた家族の家に取り付けて、玄関の出入りをチェックしたりといった使い方も可能だ。
窓(価格:7万8000円)、玄関ドア(同:7万3000円)、玄関ドア・窓勝手口(同:12万円)と3つのパッケージを用意し、いずれも月額利用料500円が必要になる。新築のほか、既存住宅への導入も想定しており、パッケージに加え、1個単位でセンサを追加できる。
戸建て住宅から導入を進めるが、今後は幼稚園や学校、老健施設など非住宅向けの展開も考えており、2019年度にはスタートしたい考え。YKK APでは2020年度に1万ユーザーの契約を目標にしている。
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