ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月8日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。累計での売上収益は682億1500万円(前年同期比7.0%減)、営業利益は106億7400万円(同21.9%減)、純利益は96億6600万円(同6.6%減)と、減収減益となった。四半期ベースでは、売上収益が343億円(前年同期比7%減)、営業利益は56億円(同23%減)としている。
主力であるゲーム事業については、セグメント別業績として売上収益212億円(前年同期比13%減)、営業利益が47億円(同23%減)。決算説明会で登壇したディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏は、ユーザー消費額が国内を中心に主力の内製・協業アプリやサードパーティタイトルともに想定を下回ったものと説明する。
守安氏は、現状ではコストの適正化が想定通りの水準で進んでいるものの、トップラインを押し上げるような成長タイトルを作っていく必要があると説明。直近では、2017年12月に配信された自社タイトルの「メギド72」が、熱量の高いコアなファン層によってDAUが積みあがっている状況から「非常に期待をかけている」(守安氏)とし、1周年に向けてテレビCMなどを含めたマーケティングの強化も図っていくとした。
また、海外タイトルの日本配信も推進しており、その第1弾としてテンセントゲームズと提携し、中国で人気のスマートフォンゲーム「王者栄耀」のグローバル版となる「Arena of Valor」の国内配信を発表(国内名は「伝説対決-Arena of Valor-」の予定)。同タイトルでDeNAは、国内展開における運営支援やマーケティング、テキストローカライズディレクションなどを担当するという。守安氏は、同タイトルのゲームジャンル「MOBA」(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)自体が、国内ではまだ浸透していないとしており、MOBAジャンルそのものの面白さを伝えるマーケティングを展開する考えを示した。
ゲーム事業の今後として守安氏は、下半期はメギド72と伝説対決-Arena of Valor-を中心に大型化していくタイトルを作り、「マリオカート ツアー」(2019年3月期配信予定)を含めた大型のIPタイトルを期末から来期にかけて展開。成長路線に乗せていきたいという考えを示した。
スポーツ事業については、売上収益79億円(前年同期比28%増)、営業利益30億円(同39%増)と好調を維持。2018年は稼働率97.2%と、近年では観客動員数の増加が見込みにくい状況にあったが、顧客単価の上昇やスポンサー収入、放映権なども好調となっていることから、一試合あたりの売上収益が増加。観客動員数のみに依存しない構造になっているという。2019年以降は横浜スタジアムの収容人員を順次増加していく計画となっており、「当面は右肩上がりの成長が続くと考えている」(守安氏)とした。
かねてから新らたな柱の構築を掲げて取り組んでいるオートモーティブ事業の「タクベル」については、神奈川県におけるサービス展開が計画通りの水準で進んでおり、提供エリアの拡大にも好感触を得ているという。守安氏は「この分野における競合状況が激しくなっているが、なんとかこの領域におけるシェアのトップを取っていきたい」と意気込む。また、ヘルスケア事業についてはPreferred Networks(PFN)と、DeNAとPFNの合弁企業であるPFDeNAが深層学習技術を活用し、少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムの研究開発を開始。2021年を目標に事業化を進めていくとしている。
なお、2019年3月期通期の予想は変更がなく、売上収益1500億円、営業利益155億円、純利益110億円を見込む。
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