デジタルガレージは11月8日、大手不動産、建設、ライフライン企業と提携し、不動産関連スタートアップを対象とした育成プログラム「Open Network Lab Resi-Tech(レジテック)」を開始したと発表した。日本発のスタートアップの海外展開や、海外スタートアップのアクセラレータープログラムへの参加と日本市場展開をサポートする。
デジタルガレージでは、2010年に日本初のアクセラレータープログラム「Open Network Lab」を設立。これまで約100組の起業家を育成してきた実績を持つ。Resi-Techは、不動産関連企業を対象としたアクセラレータープログラムで、シード期のスタートアップの育成と支援を目指す。「スマートホームから始まり、街づくり、インフラ、施工管理、IoT家電など、生活にかかわるすべてのものという広義にとらえてResi-Techと名付けた」とデジタルガレージ執行役員SVPの佐々木智也氏は、ターゲットを説明した。
2019年1月末まで参加者を募集しており、3月中旬には採択チームを決定。4~7月にかけて、プログラムを実施し、7月初旬には東京都内でピッチイベントを開催する予定。採択されたチームには、プログラム中の活動資金を提供するほか、スペシャリストによるメンタリングやレクチャー、オフィススペースの貸出などを行い活動をサポートする。
パートナー企業として、コスモスイニシア、竹中工務店、東急グループ、東京建物、野村不動産ホールディングス、阪急阪神不動産、三井不動産が参画。協力パートナーとしてカカクコム、KDDIも名を連ねる。
不動産大手によるパートナー企業からメンタリングやサポートを受けられることが特長。パートナー企業は、「スタートアップが持っている先進テクノロジがユーザーの潜在ニーズと掛け合わせることで新しいことができるだろう。ソリューションができれば新事業サービスが展開できると考えている」(コスモスイニシア執行役員R&D本部副本部長の藤岡英樹氏)、「歴史があることが自慢の会社だが、逆に動きが悪く、新しい挑戦に二の足を踏む傾向がある。今回を機にスタートアップと新しい挑戦をして、考え方を変えていきたい」(竹中工務店執行役員技術本部長の村上陸太氏)などとコメントしており、Resi-Techに期待を寄せる。
デジタルガレージ 代表取締役兼社長執行役員グループCEOの林郁氏は「今までのCVCは、自分の会社にメリットがあり、スコープが定まったスタートアップに投資し、その結果、競合のスタートアップとは仕事がやりにくくなるなどの弊害があった。そうしたスタートアップ側からみたねじれをなくし、オープンイノベーションができるCVCを推進していく。不動産業界のオールジャパン的取り組みを、グローバルネットワークと掛け合わせることで、世界に打ってでたい」と、Resi-Techの意義を説明した。
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