アジア・アントレプレナーシップ・アワード運営委員会が主催する、アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2018が、10月31日から11月2日までの4日間、千葉県の柏の葉キャンパスで開催された。アジアを中心とする13の国から選ばれた技術系ベンチャー20社が集い、アワードを競い合った。
AEAは、三井不動産、国立大学法人東京大学産学協創推進本部、一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ、日本ベンチャー学会らが共催するスタートアップ向けピッチイベント。2018年で第7回を迎える。
開催地となる柏の葉キャンパスは、2017年に国立がん研究センター東病院に、医療機器イノベーションを創出・発信する「NEXT 医療機器開発センター」を開設。周辺には、IoT通信環境が整い、2018年春にはAI研究開発拠点の新設も予定されている。こうした背景を受け、AEA2018では、AI/IoTとメディカル/ヘルスケア分野を手がけていることを参加条件として、ベンチャー企業の応募を募った。
ノミネートは、ノミネーション委員と呼ばれる選出者が、各国の有力なベンチャーをピックアップ。プログラムは10月30日から11月2日の4日間開催され、トークセッション、メンタリングセッションなどを経て、上位6社がファイナルに進出する。
入賞企業は、各種賞金のほか、三井不動産が運営する31VENTURESオフィスのコワーキングスペース使い放題プランが与えられ、日本の事業進出の展開サポートも受けられる。これまでに134社が参加しており、出場を機に日本支社の立ち上げや日本企業との連携につながっているという。
AEA2018のファイナルセッションに勝ち進んだのは以下の6社。
シリコンのカーボンコーティング技術をリチウム電池の負極に採用し、リチウム電池のエネルギー密度を大幅に改善する。
オンコロジーに特化した機械学習プラットフォームで、診断や治療の意思決定支援など、臨床プロセス全体にわたる意思決定支援ツールを提供。
太陽光発電所向けのIoTプラットフォームを提供。太陽光発電所の運営会社が、太陽光パネルモジュールを遠隔地からモニタリングできるようにする。
スマートカートの企画・開発を行う。小売店での顧客体験にテクノロジでイノベーションを起こる。
糖尿病患者向けの血糖値セルフモニタリング機器。痛みや不快感を一切感じることがなく使える。
脊柱を正しい形状に維持するソリューションを開発。脊柱矯正装具の「Spinamic」で、側弯症患者の子供が手術を受けることなく、脊柱の正しい形状を維持できるようにすることを目指す。
ファイナルセッションでは、各社が10分間のプレゼンを英語で実施。審査委員から多くの質問が飛び、積極的なやり取りがかわされた。上記のほか、超高齢化社会に貢献し、提供プロダクトが日本における実装可能性を秘めているベンチャーに対し、IP Bridgeによる知財戦略立案支援が受けられる、IP Bridge賞は、人工知能が嚥下を測るウェアラブルデバイス「GOKURI」を提供する「PLIMES」(日本)が受賞した。
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