Nianticは11月6日、新作ゲーム「Ingress Prime」を発表した。同社初のタイトル「Ingress」のリニューアル版で、IngressをベースにUIやBGMを全面刷新している。
同社は、AR技術を活用して「Adventures on Foot(外に出て誰かに出会い、身体を動かして新しい発見や体験をする機会を提供すること)」を企業ミッションとし、Ingressのほか「ポケモンGO」をリリース。また、新作として「ハリー・ポッター」の新作ゲーム「Harry Potter: Wizards Unite」のほか、新感覚ARゲーム「Neon」も発表している。
Ingressは6年半前にベータ版をリリース。XM(エキゾチック・マター)と呼ばれる物質をめぐり、緑の陣営「エンライテンド」と青の陣営「レジスタンス」に分かれ、XMが噴出するポータル(その土地のスポットや観光名所などがポータルになる場合が多い)をお互いの陣営で奪い合う位置情報ゲームだ。同じ陣営のポータル同士をリンクして囲うことで、エリア内にXMが充満し、味方陣営であればXMを補給できるといった要素もあり、世界中の街中を舞台にリアルタイムでゲームが進行している。
Ingress Primeでは、Ingressのアップデートではなく新しいゲームとして公開。ゲーム開発プラットフォームは、PrimeよりUnityベースとなり、「Niantic Real World Platform」上で実装されているという。すでにIngressをプレイしているユーザー(エージェント)は、その実績がPrimeでも反映されるほか、MAX値であるレベル16に達したエージェントは、レベル1からまたゲームを始められる「プレステージモード」が利用できる。ナイアンティックは、メダルなどこれまでの実績がプレステージモードでも有効になるかは明かさなかったが、スキャナに専用エフェクトが出るなどの特典があるという。
よりIngressの世界観に入り込めるよう、ポータルからXMが噴出するアニメーション効果もリッチとなり、リンクの描写やマップビューもより分かりやすいものとなっている。UI(ユーザーインターフェース)も改良され、重要な情報やボタンなどはすぐにアクセスできるよう画面下に集約。特によく使うハックボタンなどは、より大きく中心に表示されるようになり、右利き左利き問わず使いやすくなったとしている。アイテム一覧も、利用頻度の高いポータルキーを別カテゴリで表示するなど使いやすさにもこだわった。
BGMや効果音も刷新。Ingress PrimeのAI役として「ADA」の声を緒方恵美氏が、「ジャービス」を津田健次郎氏が担当するという。さらに、IntelマップをARで3次元的に見ることができるモードも今後実装を予定。エージェント同士の作戦会議などで有効活用できるだろうとナイアンティックでは説明している。
また、新規エージェントにも複雑なIngressの世界観を理解してもらえるよう、チュートリアルを強化。ストーリーに沿ったトレーニングプログラムを用意しており、「映画の主人公になったような感覚」で、ゲームや各陣営についての知識を得られるという。Ingressは、長年活動しているエージェントも多いことから、新規エージェントがポータルを乗っ取ってもすぐに奪い返されるケースが想定される。このため、これまでのIngressと比べて、ある程度のレベルまでは上がりやすくなっているとする。
なお、これまでのIngressは、「 Scanner[REDACTED]」という名称のアプリとして、Android版は11月7日、iOS版は今週末までに公開するとしている。また、現在放送中のアニメ版Ingressとのコラボについても、ナイアンティックでプロダクトを統括する廣井隆太氏は「何か入れてみたいとは思っている」と述べた。
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