VOYAGE GROUPと電通傘下のCCIが経営統合--2019年1月に新会社発足

 電通は11月1日、同社の完全子会社であるサイバー・コミュニケーションズ(CCI)とVOYAGE GROUPが、2019年1月1日(予定)に経営統合すると発表した。新会社を設立し、代表取締役会長に宇佐美進典氏(現VOYAGE GROUP代表取締役社長 兼 CEO)、代表取締役社長に新澤明男氏(現CCI代表取締役社長)が就任する。

 CCIは、電通とソフトバンクの合弁会社として、1996年6月に日本初のデジタル専門広告会社として発足し、メディアレップ事業を展開。2000年にヘラクレス市場に、2003年にマザーズ市場に上場し、2009年に電通の完全子会社となった。

 一方のVOYAGE GROUPは、1999年10月の設立以来、懸賞サイト「MyID」に始まり、市場環境の変化に合わせて、価格比較サイト、ポイントサイトと形を変え、現在はインターネット領域におけるさまざまな事業開発を行っている。主力事業は、(1)広告、(2)ポイント、(3)インキュベーションの3つだ。2014年7月にマザーズ市場へ上場し、翌2015年9月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更している。

 両社の主力事業であるインターネット広告事業では、スマートフォン広告市場の拡大や動画広告市場の急速な立ち上がり、データやテクノロジを活用する広告主の増加により、事業環境が大きく変化していることから、より高度で専門的な技術と、強固な事業運営体制が求められていると説明。その中で、さらなる事業の継続的な成長や発展の加速化を実現すべく、アライアンスを検討してきたという。

経営統合ストラクチャー(概略図) 経営統合ストラクチャー(概略図)
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 電通とCCIはマスメディアやナショナルクライアントに対するリーチ力などに強みを持つ一方で、VOYAGE GROUPはアドプラットフォーム領域とメディア領域での技術力やそれによる製品などに強みを持つなど、展開事業としては重なり合う部分が少ないことから、3社で人材や技術などの経営資源を相互に活用することで大きなシナジーを発揮できると判断し、経営統合を決めたという。

 具体的には、電通の100%子会社であるCCIと、VOYAGE GROUPが株式交換によって経営統合するとともに、新会社(現VOYAGE GROUP)が電通グループに参画する。CCIはこの株式交換により電通の完全子会社からは外れるものの、新会社の中核事業会社としてグループの経営資源を活用し、より効率的かつ戦略的な事業活動を推進するとしている。また、CCIとVOYAGE GROUP、そしてVOYAGE GROUPの間接部門・共通部門の機能においても、業務の効率化や重複コストの削減を図れると考えているという。

 今後の展開として、広告領域ではVOYAGE GROUPが持つ広告配信プラットフォーム(アドネットワーク・DSP・SSP)のCCI販路への拡販など、クロスセルの拡大による顧客基盤の強化を狙う。また、電通とCCIの持つマーケティングテクノロジ、VOYAGE GROUPのアドプラットフォーム領域・メディア領域での技術力など、3社の技術力・ノウハウを持ち寄り、新たなプロダクトの開発を進めるという。

 たとえば、広告配信ツール、信頼性の高いメディアを核としたアドネットワーク/プログラマティックバイイング型商品、アドフラウド対策・ブランドセーフ対応型商品、ダッシュボードなどだ。また、将来的にはインターネット広告に留まらず、あらゆるメディアのプログラマティック化対応を支援する商材も開発していくという。

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