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グリーと中国Bilibiliが提携--共同出資会社のゲーム新作やVTuberの日中展開も

佐藤和也 (編集部)2018年10月30日 18時30分
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 グリーと中国のBilibili(bilibili)は10月30日、日本ならびに中国国内におけるスマートフォン向けゲーム事業とバーチャルYouTuber(VTuber)事業について、業務提携契約を締結したと発表した。

グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏(左)と、bilibili董事長兼CEOの陳睿氏
グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏(左)と、bilibili董事長兼CEOの陳睿氏

 この業務提携における取り組みは主に3つ。1つ目は、ゲームの開発・運営を主要目的とした、共同出資によるゲーム会社「bGゲームス株式会社」を12月に設立予定。本社は東京都渋谷区とし、具体的な資本金や出資比率は非公開としているが、マジョリティはbilibiliとのことで、代表取締役社長には、bilibili副総裁の張峰氏が就任する。

 第1弾の事業として、小説「ソードアート・オンライン」「とある魔術の禁書目録」などの編集者として知られるストレートエッジ代表取締役の三木一馬氏、ゲーム「拡散性ミリオンアーサー」「乖離性ミリオンアーサー」を手掛けたクリエーターで、現在はゲームDJとしても活動しているシシララ代表取締役社長の安藤武博氏の2人をプロデューサーとして迎えた、新作スマホゲームを開発する。

Bilibili副総裁の張峰氏から、共同出資のゲーム会社設立を説明
Bilibili副総裁の張峰氏から、共同出資のゲーム会社設立を説明

 2つ目は、それぞれが日中双方のゲートウェイとなるような展開をしていく。日本国内では、グリーとBilibiliでパブリッシング事業を検討しているという。

 3つ目は、VTuber事業における日中の積極的な協業展開。それにあわせて、グリー子会社でVTuber事業を手掛けるWright Flyer Live Entertainment(WFLE)は、VTuberの「ゲーム部プロジェクト」ならびに「道明寺ここあ」をプロデュース・運営するバーチャルユーチューバーと資本業務提携契約を締結。WFLEが出資するVTuber専用音楽レーベル「RK Music」から道明寺ここあへの楽曲提供や配信などに向けたプロジェクトを進めていくとともに、bilibiliの持つサービスやネットワークを活用した日中双方での動画配信やイベント出演、グッズ化やローカライズ業務のサポートなどを行い、ゲーム部や道明寺ここあのグローバル展開も支援するという。

 それ以外にも、WFLEだけではなく、bilibiliにおいてもVTuberコンテンツを制作しているプロダクションに投資を行っており、VTuberライブ配信プラットフォーム「REALITY」と、bilbiliが運営するプラットフォームの双方で、VTuber配信の積極的な展開や日中同時配信の検討もし、ファンの最大化を狙うという。

グリー取締役上級執行役員の前田悠太氏から、バーチャルユーチューバーと資本業務提携を発表
グリー取締役上級執行役員の前田悠太氏から、バーチャルユーチューバーと資本業務提携を発表

 同日に行われた記者会見において、グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏は、今回の業務提携の背景として、中国のモバイルゲーム市場は日本の倍以上と言われるほどのマーケットであり、大きな事業機会がある一方で、中国では外資の参入規制など独特性の強い市場でもあり、日本企業が単独展開を行うことが難しいこともあり、現地企業とのパートナーシップが必要だと説明する。

 グリーがかねてから「エンジン×IP×グローバル」を事業戦略として掲げているが、根底にあるのは、日本のゲームやアニメを好む世界のファンに向けて、日本発のゲームを展開していくというもの。そしてbilibiliはアクティブユーザーが1億人という規模もさることながら、そのユーザーの約82%は、「Z世代」と呼ばれる1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた若年層で、アニメやゲームなどのコンテンツに親しんでいる層が中心としている。

bilibiliではイベントも開催しており、アニメやゲーム好きなファンが多く足を運ぶという
bilibiliではイベントも開催しており、アニメやゲーム好きなファンが多く足を運ぶという

 同じく登壇したグリー取締役上級執行役員の前田悠太氏は、bilibiliは動画サービスがよく知られているが、Androidプラットフォームも提供していることを説明。ゲームプラットフォームとしても、いわゆる2次元コンテンツのファンにアプローチしやすく「我々のようなゲーム会社においては、重要かつ魅力的なチャンネル」と語る。このようなことを背景に、田中氏は「日本と中国で、ゲームやアニメの文化をよく知る両社が協業していくことで、今までにないような新しいコンテンツを生み出す」と語った。

 bilibili董事長兼CEOの陳睿氏からは、bilibiliにおいてアニメやゲームが重要なカテゴリであること、そして日本は世界的に見ても熱量の高いユーザーに加え、豊富な人材とクリエイティブに優れているなど、アニメ・ゲーム産業の発信地であると説明。bilibiliとしても、2015年から日本アニメ作品の製作委員会としても参加しているほか、2016年には日本でオフィスを設立するなど、日本業界との交流や協業を重要視していると語る。

 bilbili副総裁の張峰氏は、ゲームの共同開発の背景に、ミリオンアーサーシリーズや「Fate/Grand Order」といった日本発のスマホゲームが中国市場にも進出して人気となったこと、「アズールレーン」「崩壊3rd」といった中国発のスマホゲームが日本市場で人気となったことを挙げ、これからは両国のクリエーターが一緒になって共同開発をし、日中のゲームユーザーに良いコンテンツを送り出していく段階だと語った。

 新作を手掛ける三木氏と安藤氏も登壇。安藤氏はゲームコンテンツにおいて「ファン目線で見ると、かなり前から日中の垣根はなくなっている。中国と日本で一番愛されるタイトルを作る」と言い、三木氏は「仕事としては、最強のクリエイティブを作ること」と語った

ストレートエッジ代表取締役の三木一馬氏(左)と、シシララ代表取締役社長の安藤武博氏
ストレートエッジ代表取締役の三木一馬氏(左)と、シシララ代表取締役社長の安藤武博氏

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