日本英語検定協会は、2019年度からの英検において、通常採点に加えて、AIによる自動採点を並行的に導入していくことを明らかにした。
同協会によれば、これまでAIによる自動採点について複数の事業者とスピーキングテストやライティングテストの共同研究を進めてきたという。スピーキング問題の自動採点では、英語の文章を読み上げる問題と、文章を自分で考えて発話する自由発話形式の問題があり、特に自由発話形式の問題の採点は難しいとされてきたが、中国のiFlytek社の自動採点技術(同社から技術提供を受けているサインウェーブが提供)でこの問題を解決したという。
共同研究では、スピーキングの音声認識とライティングの文字認識の認証精度の高度化を追求し、個人情報を除去したこれまでの英検の回答データを用いて、英検の一部採点業務において、同技術の実証実験を実施。一定の成果が見られたことから、2019年度から自動採点を導入することが決まったという。
2019年度第1回検定から自動採点を導入するのは、従来型の英検では1級、準1級、2級、準2級、3級の全級のライティング。スピーキングは、まずは4級、5級で導入し、随時1級、準1級、2級、準2級、3級の順に導入していく予定。PCで回答する英検CBTでは、第1回検定から実施級である2級、準2級、3級の全級でライティング、スピーキングどちらも導入するとしている。
今回、自動採点技術が採用されたサインウェーブは、2010年に音声技術の研究開発をコア事業として設立。現在はアプリやシステム開発など受託開発事業も展開する。2016年に、人工知能(AI)/音声技術の世界的な技術力を持つiFlytek(アイフライテック)と資本業務提携し、教育事業に参入した。
iFlytekは、1999年に中国科学技術大学発のベンチャー企業として設立し、現在の社員数は1万1000名。10年以上前から大学入試の英語スピーキング試験に評価エンジンが採用されている。英語スピーキング判定テストは中国各地の高校入試・大学入試で利用されており、年間の利用者数は300万人で累計2000万人を超える実績を持つという。
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