JVCケンウッドは10月18日、ビクターブランドから“木”の振動板を採用したイヤホンのフラッグシップモデル「HA‐FW10000」を発表した。初号機の発売から10周年を迎えた記念モデルになる。発売は11月上旬。想定税別価格は18万円前後になる。
ビクターブランドは、旧日本ビクターが国内向けに使用していたブランド名。2008年以降、ビクターブランドの露出が少なくなり、ここ数年は国内外ともにJVCブランドで統一していたが、2017年にブランド復活を表明。頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を使ったコンセプト商品「WiZMUSIC(ウィズミュージック)」をビクターブランド復活第1弾として提供している。
HA‐FW10000は、WiZMUSICに続くビクターブランドモデル。「JVCケンウッドでは、JVC、ケンウッド、ビクターと3つのブランドを展開しているが、事業を展開していなかった時期があるにもかかわらずビクターブランドの人気は高い。2017年のブランド復活以降、社内からもブランドを活用したいという声が多く上がった」とJVCケンウッド ブランド戦略部部長の山本耕志氏は、ビクターブランドの人気の高さを説明する。
今後は、ビクターブランドを「イノベーションを追求するブランド」と位置づけ、提供していく方針。イノベーションの1つの領域として「原音探求」思想を再定義し、こだわりの音作りから生み出す商品、サービス、ソリューションにビクターブランドを採用していく。
HA‐FW10000は、木の振動板を採用した「ウッドシリーズ」の最新モデル。第1号機は2008年に登場しており、10周年の記念モデルになっているほか、JVCからビクターブランドに戻す形で発売する。
新開発の「ウッドドームカーボン振動板」は、50umウッドドームを、カーボンコーティングしたPET振動板に組み合わせたもの。振動板外周部には適度なしなやかさを、振動板中央のドーム部分にはより高い強度を持たせることで、豊かな中低域を再現する。
音の雑味を排除する「チタニウムドライバーケース」、振動板の正確な動きを実現する「アキュレートモーションエアダンパー」などを備え、高音質再生を追求。駆動力とリニアリティを大幅に向上させたハイエナジー磁気回路により、原音に忠実な再生を実現する。
MMCX端子を採用し、ケーブルの脱着が可能。ワイヤレスオーディオレシーバ「SU-ARX01BT」と組み合わせれば、Bluetoothイヤホンとしても使用可能だ。MMCX端子は、独立したポッドに収納し、ハウジングから分離する構造になっているため、ハウジング内の音響設計の自由度を確保でき、形状を0.1mm単位で調整しているという。
ハウジングとウッドスタビライザーには、日本産の楓を使用。硬度の高い漆塗りを施すことで響きを与え、吸音材には天然素材の阿波和紙と絹を使用する。多層漆塗りは、日本伝統工芸士が手塗りで仕上げている。
口径11mmの「ウッドドームドライバー」を用いたダイナミック型で、再生周波数帯域は、6~5万2000Hz。タッチノイズの低減と装着感を向上し、安定した音質を実現する耳掛けスタイルを採用し、装着感を高めたスパイラルドット+(プラス)イヤーピースをS、MS、M、ML、Lの5サイズを同梱する。
今後は、2019年2月にウッドコーンの新商品を発売する予定。また、レコーディングスタジオ「ビクタースタジオ」のブランドとして、ビクタースタジオが監修プロデュースする「Produced by VICTOR STUDIO」、技術開発を手がける「Tuned by VICTOR STUDIO」、音以外のモノづくりにノウハウを注ぎ込む「Made by VICTOR STUDIO」の3つを用意し、展開していく。
山本氏は「ビクターブランドは現在日本のみで使用しているが、段階的にグローバルに広げていきたい」としており、グローバルブランドとして育てていく計画だ。
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