盗難抑止機能付きのスマート自転車が、月額2500円で“永久貸与”されるとして話題になった、オランダの新興自転車メーカー「Vanmoof」。6月には新型電動アシスト自転車「Electrified S2」「Electrified X2」を発表するとともに、東京・原宿に日本初の直営店舗を9月にオープンするなど、日本での事業を加速させている。開業からおよそ1カ月が経過した10月、来日した同社CEO ティーズ・カーリエ氏に話を聞いた。
原宿にある直営店舗は、竹下通りにも近い、ブランドストアが数多く建ち並ぶエリアにある。9月に正式オープンして以来、主に地元や首都圏在住のビジネスパーソンらが来店し、月額2500円で永久に自転車を借り続けられるサブスクリプションサービス「VanMoof+」を中心に引き合いが連日多くあるという。
VanMoof+について改めて簡単に紹介すると、キー料金と呼ばれる初期費用と、毎月の定額料金を支払うことで、Vanmoofの自転車をほぼ所有しているのと同じ形でレンタルできるサービスだ。考え方としてはリースに近い。盗難抑止の仕組みを用意しているのが特徴で、車体側ではスマートフォンを使った施錠・解錠ができるほか、施錠後に振動を検知するとライトによる警告が可能。それに加えて、盗難時に位置情報を追跡し、警察と連携して取り戻すバイクハンターといったサービスが付帯する。故障時の修理などの基本的なメンテナンスは無料。海外旅行時の自転車無料レンタルもある。
日本ではこれまで同社のスマート自転車「Smart S」と「Smart X」の2台がVanMoof+の対象となっており、現在予約受付中の新型電動アシスト自転車「Electrified S2/X2」の発売後は、これもVanMoof+の対象となる予定。月額料金はSmart S/Xよりは上がる見込みだ。Electrified S2/X2を定額ではなく、通常の車体購入で手に入れる場合は、いずれも43万円(期間限定の予約分は32万円)。Electrified S2のデリバリーは、早いユーザーで12月を予定している(Electrified X2の発売は後日)。
原宿の店舗には、すでにElectrified S2が展示されている。一見すると前世代のElectrified Xとさほど違いがないように見えるが、近づくとかなりの部分がブラッシュアップされていることに気付く。ハンドルステムと一体化したハンドルバーは滑らかな曲線を描き、フロントフォークは前方から見て空気抵抗の少ないスリムな形状になった。ケーブル類のほとんどがフレームに内蔵されたことでスタイリッシュな印象を高めている。
さらに細かく見ていくと、ヘッドチューブに埋め込まれたフロントヘッドライト周りがシームレスに処理されている。サドルを固定するシートクランプがなくなり、代わりにフレーム側に埋め込まれたネジ穴を緩めてサドルの高さを変える方式になった。トップチューブに内蔵するバッテリ容量は前世代から20%アップし、アシスト状態での航続距離は150kmに達する。
Smart S/Xと同様に、専用アプリをインストールしたスマートフォンが鍵代わりになるのはもちろんのこと、盗難検知時にはアラームによって警告される。それに加えて、リアシャフト付近のチェーンステーに内蔵されたボタンを足先で押し込むことで、自転車を簡単にロックできる機構も追加した。
アシストレベルなどを表示するディスプレイもトップチューブに内蔵。従来のいわゆるセグメントディスプレイに代わり、新モデルはフレームに開けた小さな穴を通して点灯する160個以上のLEDによってグラフィックを作り出し、ステータスを表示する。全体的に専用設計部分が大幅に増え、もともと高かったデザイン性にさらに磨きがかかった印象だ。
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