科学・技術・工学・数学(STEM)教育に対する関心の高まりから、電子工作キットやプログラミング可能なロボットなどの教材は珍しくない。しかし、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で見つけた「MAKERphone」には驚かされた。なんと、実際に通話できる携帯電話を自作するキットなのだ。
MAKERphoneは、はんだ付けなどの作業をしながら携帯電話を組み立てる自作キット。少し大人が手助けすれば、11歳の子どもでも7時間ほどで完成させられるという。無線LAN(Wi-Fi)とBluetoothで通信できるだけでなく、マイクロSIMカードを挿せばGSM(850/900/1800/1900MHz帯)通話も可能。
カラー液晶画面を搭載し、ゲームで遊んだりできる。MP3音楽ファイルの再生にも対応。付属の128メガバイトSDメモリカードには、電話帳、SMS、音楽プレーヤなどさまざまなアプリやツール、ゲームがインストールされていている。
さらに、MAKERphoneはソフトウェアのカスタマイズもできる。ビジュアル言語のScratchから始まり、PythonやC、C++によるプログラミングに対応しており、携帯電話の動作を学んだり、自作ゲームを開発したり、楽しみ方はいろいろだ。
このように魅力的なSTEM教材なのだが、残念ながら日本では使えない。GSM方式の携帯電話は日本で通話できないうえ、MAKERphoneの技術基準適合(技適)マーク取得が現実的でないため、電波を出すことすら許されないからだ。
Kickstarterでの支援受付期間は日本時間11月23日まで。記事執筆時点(日本時間10月11日18時)でキャンペーン期間は42日残っているが、すでに目標金額1万5000ドル(約168万円)の2倍を上回る約3万6000ドル(約404万円)の資金を集めている。
MAKERphoneの紹介ビデオ(出典:Kickstarter)
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