女子高生たちのSNSが「#体育祭」で盛り上がっている。学校のイベントは、インスタ映えすると大人気のテーマなのだ。女子高生たちは、なぜ体育祭の写真をInstagramやTwitterに投稿するのか。女子高生たちの体育祭事情とSNS活用についてお伝えしたい。
Instagramを見ると、体育祭は文化祭と並んでとても人気が高いテーマだ。「#体育祭」は66万件、「#文化祭」は73万件も投稿されている。
目立つのが「#体育祭ヘア」。複雑な編み込みヘアやお団子ヘアにするだけでなく、リボンを編み込んだり、仕上げにハチマキを巻いたり、友だちとおそろいのヘアスタイルをしている例が目立つ。体育祭ヘアアレンジの方法を解説する動画も多数投稿されている。なお、文化祭バージョンには「#文化祭ヘア」もある。
「当日は朝早く集まって、できる子にヘアアレンジをやってもらった」と言っている女子高生がいた。後頭部にリボンを編み込んだツインテールの、テレビドラマ『花のち晴れ』の今田美桜さん演じる真矢愛莉役のヘアスタイル「#愛莉ヘア」もまだ人気のようだ。
もう1つ流行中なのが、7万件以上も投稿されている「#メガホン」だ。メガホンはリボンや造花、キラキラモールなどで、自分たちで工夫してデコレーションするのが基本。材料はダイソーやドンキホーテなどで購入してくるそうだ。ハート型メガホンにリボンをデコってプリンセス風にしたり、ブランドロゴに似せてクラス担任名などをデコったメガホンなどが目立つ。
「材料費は500円以下だけど、デコると本当に可愛い。おそろいのクラスTシャツとかでみんなでメガホン持ってポーズするのがポイント。これが青春(アオハル)」という。
なぜ体育祭がインスタ映えするテーマになるのか不思議という方も多いだろう。高校になるとスマホ持ち込みが可能になる学校が多いため、校内での撮影が増える。また、今は制服姿でディズニーランドに行く「#制服ディズニー」に代表されるように、制服や体操服などが高校生ブランドとして人気だ。
体育祭ヘア・文化祭ヘアやデコメガホンなどは、どれも学校で堂々とできる校則違反にならないインスタ映えであり、大切な“青春感”を出すアイテムだ。体育祭・文化祭は、校内で堂々と撮影できる、自分たちを盛れるイベントなのだ。
なお、後日あえてプリクラ機で体操服やクラスTシャツ、ヘアアレンジで「#体育祭プリ」を撮ることも多いという。「やっぱりプリ機のが盛れるから」だ。
女子高生たちが体育祭や文化祭に力を入れるのは、撮影のためだけではない。「カップルができやすい大切なイベントだから気合が入っている」とある女子高生は教えてくれた。「打ち上げとかツーショットとかいろいろ気合が入る。がんばる子は差し入れも気合が入ってる」。
体育祭ヘアやデコメガホンは、イベントを思いきり楽しむために必要であり、貴重な高校時代をキラキラさせるためのアイテムでもある。女子高生たちのSNSでの行動を見ると、彼女たちが学内イベントをどれだけ大切に思っているかがわかる。
女子高生たちはお金をかけるのではなく、自分たちの工夫とアイデアで盛り上げ楽しんでいる。生活ひとつひとつを大切にし、工夫やアイデアで乗り切る姿勢は大人も見習ってもいいのではないか。Instagramで全体公開されているので、興味がある人はぜひ覗いてみてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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