NTTドコモは9月26日、LTEの一部周波数帯域のみを利用するなどして、通信モジュールの低価格化・省電力化を実現するIoTサービス向け通信方式「LTE-M」を、10月1日より提供すると発表した。提供エリアは、東京都、大阪府、千葉県の一部エリア。2019年3月末にはLTEと同等のエリアとなる予定。
LTE-M(最大通信速度下り300kbps/上り375kbps)は、省電力を目的としたセルラーLPWAのひとつ。端末実装の簡易化による低価格化と、通信中の省電力化を主眼とした規格となっている。送受信に用いる通信帯域幅を最大1.4MHzに制限することなどにより、実装機能・処理量を削減。端末実装の簡易化を図ることで、通信モジュールの低価格化が期待されており、データ通信の効率化およびeDRXと組み合わせることで省電力化も期待できるという。
同社によると、電池駆動やソーラー電源など、商用電源が取れない状況下で利用されるIoT機器などに適しているという。具体的には、機器の遠隔監視や異常検知用途をはじめ、水位や土砂の状態監視、見守り向け位置情報監視、熱中症対策となる暑さ指数(WBGT)監視用途などで月に数KB〜十数MB程度の、比較的少ない通信を利用するケースでの利用を見込んでいる。
同社は、IoT向け料金プランとして、LTE-Mに対応(システム構成・利用用途などに応じて他の料金プランも対応)した「IoTプラン」と「IoTプランHS」のほか、「アクセスプレミアムLTE」「mopera U」「ビジネスmoperaインターネット」「docomo IoT回線管理プラットフォーム」など関連のサービスを提供。
これまでのLTEカテゴリ4(最大通信速度下り150Mbps/上り50Mbps)やカテゴリ1(最大通信速度下り10Mbps/上り5Mbps)などに加え、今回提供開始するLTE-Mも含めたカテゴリの異なる通信方式が混在する法人においても、同一のプラットフォームで利用可能になることから、設備への追加投資の最小化が見込めるという。
なお、LTE-Mに対応した通信モジュールを、AM Telecomや京セラ、Quectel Wireless Solutions、Gemalto、Sierra Wireless、太陽誘電、Telit wireless solutions Japan、村田製作所、u-blox AGが順次取り扱う予定。
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