義務で参加させられたような立食パーティだと、あまりに退屈で眠くなってしまう。しかし、そういう場に限って中座するわけにいかず、興味のない会話を延々と続ける必要があったりする。コーヒーで眠気を誤魔化そうとしても、パーティ中盤だと用意されていないことが多く、意外と入手が難しい。
IBMは、そんな状況で役立つかもしれない技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間8月7日に「DRONE DELIVERY OF COFFEE BASED ON A COGNITIVE STATE OF AN INDIVUDUAL」(特許番号「US 10,040,551 B2」)として登録された。出願日は2015年12月22日、公開日は2017年6月22日(公開特許番号「US 2017/0174343 A1」)。
この特許は、ドローンのような無人航空機(UAV)を使い、眠気覚ましになる飲み物を欲している人に届ける技術を説明したもの。請求項(クレーム)の内容は限定的であり、人が集まっている状況において、そのなかの眠そうな人に向かって飲み物を届けるというアイデアだ。
眠気を感じているかどうかは、UAVに搭載されているセンサからの情報を解析して判断する。センサで計測するデータとしては、心拍数、血圧、瞳孔の状態、呼吸数、体温、呼気に含まれる化学物質、顔の表情がクレームで挙げられている。こうしたデータから眠いと感じているであろう人を抽出し、届ける飲み物は、眠気を忘れさせるような刺激を与えるものとしているが、第5クレームには「coffee(コーヒー)」に対する言及がある。
また、このUAVは、何らかのジェスチャーも認識して飲み物を届ける機能も備える。たとえば、話している相手が眠そうにしていたら、UAVに向かって手を振るとコーヒーが運ばれてくる、といった動作がこの特許で可能になる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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