日本人のための音作りをしたイヤホンが登場した。バリュートレードは9月11日、自社ブランド「AVIOT(アビオット)」の新製品として、完全ワイヤレスイヤホン3機種とワイヤレスイヤホン1機種を発表した。いずれもクラシックからアニメソングまでの1000曲に及ぶ楽曲を試聴し「日本人好みの音」を追求した「Japan Tuned」モデルになる。
バリュートレードは「ERATO」「NuForce」などの海外オーディオブランドを取り扱う輸入代理店。中でもワイヤレスオーディオに注力し、完全ワイヤレスイヤホンも登場当時から数多く取り扱う。AVIOTは輸入代理店として知られるバリュートレードの自社ブランド。「ワイヤレスイヤホンの販売を手がける中で、電波の安定性や音質についてお客様から多くの声をいただいた。それらの声を受け、自分たちでイヤホンを作ってみたいと思った」とバリュートレード 代表取締役の土山裕和氏は、自社ブランドとして発売した経緯を話した。
「販売代理店なので、商品や企画を作るのはハードルが高い」(土山氏)とのことから、商品のデザインや企画はSamurai Earsが担当。質を重視する日本人向けのイヤホンに仕上げたという。
AVIOTに採用したJapan Tunedでは、特に日本語の曲がきれいに聞こえる音作りをしているとのこと。日本語は母音が多い言語で、母音をきちんと聞き取れるチューニングを採用した。フラットなトーンバランスにより、重低音のみが強調された海外ブランドのイヤホンとは異なる再生音を追求。サウンドチューニングは周波数ごとに0.1デシベル単位で実施しているという。
今回発表したのは、完全ワイヤレスの「TE-D01a/D01b/D01c」(税別価格:8250円/1万4880円/7980円)とワイヤレスモデルの「WE-D01b」(同:7250円)の4モデル。9月下旬から順次発売する。いずれもJapan Tunedモデルになる。
D01bは、8月からクラウドファンディングサイトの「GREEN FUNDING by T-SITE」でクラウドファンディングを実施中。すでに約800人の支援を集めている。米国クアルコムの最新チップ「QCC3026」搭載していることが特徴で、同チップ搭載機は日本初になるとのこと。イヤホン本体のみで9時間を超える長時間再生ができるほか、接続安定性に優れ、解像度の高い高音質再生が得られる。
新方式である「TrueWireless Stereo Plus」にも対応し、クアルコムが提供する「Snapdragon 845」チップを搭載したスマートフォンなどと組み合わせれば、右の信号は右のイヤホンへ、左の信号は左のイヤホンへ個別に送信するため、接続の安定性がより向上する。現在、対応スマートフォンは日本で発売されていないが、スマートフォンの進化にあわせ、より快適な使い勝手を提供できるとしている。
オーディオコーデックはSBC、AAC、aptXに対応。充電ケースには約850mAhの大容量バッテリを搭載し、最大約81時間再生が可能だ。
D01aは、クアルコム製の「QCC3001」チップを搭載。IPX4の防水性能を備え、約4.5時間の再生に対応する。イヤホン部であれば約15分の充電で約1時間の使用ができる高速充電にも対応。対応コーデックはSBCとAACになる。
D01aの性能をほぼ受け継ぎ、本体を小型化したのがD01cだ。防水は非対応だが、クアルコム製のQCC3001チップを搭載。イヤホン単体で約4時間の再生に対応する。こちらのモデルのみネット販売専用になる。
WE-D01bは、左右のイヤホンをつなぐケーブルを残したワイヤレスモデル。搭載チップは「CSR8645」で、オーディオコーデックはSBC、AAC、aptXに対応する。IPX7の防水性能を備える。
D01a/D01cは、ユーザー登録をすれば500円でSpinfit製のイヤーチップへアップグレードできるサービスを展開。完全ワイヤレスイヤホンには、保証期間内であれば、破損や紛失の際に一定金額の負担で新品を提供する「紛失保証」を用意する。詳細は後日バリュートレードのウェブサイトに掲載されるが、通常価格の半額から6割程度の価格で新品を提供する予定としている。
バリュートレードでは、販売代理店として海外オーディオブランドを取り扱うほか、自社ブランドとしてAVIOTを手がけていく予定。ハイエンドモデルなども展開も考えているという。
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