Lenovo 大和研究所 Development Project Managerの小口貴幸氏は、ThinkPad X1 ExtremeおよびThinkPad P1の開発コンセプトについて、「妥協なきパフォーマンスとモビリティの究極の融合」と説明した。
このコンセプトに対する設計思想は、これまでThinkPad X1 carbonなどで培ってきた軽量化の技術と、パフォーマンスに定評のあるThinkPad Pシリーズのパフォーマンス向上技術、25年の歴史を持つThinkPadの堅牢性、信頼性を、サーマル新技術、高いシステム実装力で融合させるというもの。
しかし、「単純に融合とはいっても、そう簡単なものではなかった」と振り返る。なぜなら、本製品がサポートしているCPUは、IntelのハイエンドなHシリーズ・プロセッサ、GPUはNVIDIAのGeForceおよびQuadroだ。ミドルレンジのUシリーズ・プロセッサを搭載するThinkPad X1 carbon Gen6と比較すると、発生する熱量は5倍になる。
また、「厚みや重量面でも、ThinkPad X1 Extremeと同等のCPUを搭載するThinkPad P52と比較すると、厚みは25%、重量は36%低下させないとその規模に達しない。熱は5倍になるが、装置は3分の1に薄く軽くしなければならない。妥協なきパフォーマンスは、熱との戦いだった」と振り返った。
まずはファンの羽を改善し、改良を重ねて第10世代のものを使用。Fanハウジングとヒートパイプを一体化することで、排熱効率を向上させ静穏化にも貢献したという。また、いかに冷やすかが課題だったため、ファンの大きさをとにかく大きくする=基盤を小さくするかに心血を注いだと語った。
このほかにも、WindowsのデスクトップからすぐアクセスできるパワースライダーとIntelligent Coolongを連動させ、利用シーンにあわせて最適なモードを選択できるようにした。
筐体の材料選定には、14型の液晶を搭載したThinkPad X1 carbonで培った薄型軽量化技術を流用。15インチ製品としては初の試みで、底面には熱拡散性に富んだアルミニウムを採用するなどし、薄型軽量化を実現したと説明した。
Lenovo Groupグローバル バイスプレジデント兼レノボ・ジャパンの代表取締役社長のデビット・ベネット氏は、法人ビジネスの概況について、2018年4月~6月期は前年同期比で「47.8%の成長を遂げている」と説明。
その背景には、“働き方改革”のサポートを打ち出したモバイルPC「ThinkPad」が特に好調で、デスクトップの「ThinkStation」も伸びているという。
ベネット氏は、「モバイルのThinkPadとパフォーマンスのあるThinkStationの中でもう少しユーザーのニーズがあるのではないかと思い、今回の製品の発表に至った。モバイルワークステーションはわれわれの戦略領域」と説明した。
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