米司法省(DOJ)は、ランサムウェア「WannaCry」やSony Picturesに対するハッキングなど、過去4年間の重大なサイバー犯罪に関与したとして、北朝鮮人のコンピュータプログラマーを訴追した。
DOJは米国時間9月6日、北朝鮮人のPark Jin Hyok容疑者を訴追したことを明らかにした。ソニーに対する大規模攻撃(2014年)や、バングラデシュ中央銀行からの8100万ドル不正送金(2016年)、WannaCryランサムウェア攻撃(2017年)などに関与したという。WannaCryの被害は、世界中の病院や大学、銀行の膨大な数のコンピュータに及んだ。
ソニーに対する攻撃は、北朝鮮の金正恩氏暗殺計画を題材にした「The Interview」というコメディ映画に関連するとされていた。WannaCryによる攻撃では、150カ国で30万台以上のコンピュータがロックされた。
訴追されたのはPark容疑者のみだが、DOJの高官によると、Park容疑者は単独犯ではなく、捜査を継続しているという。Park容疑者は北朝鮮政府の下で働いていたと捜査当局は述べている。北朝鮮が支援するハッカー集団「Lazarus Group」のメンバーだという。
北朝鮮がサイバー攻撃の能力を強化する中、こうした問題で北朝鮮のハッカーが米国で訴追されるのはこれが初めてとされる。
米国は何度も国家が関与するハッカーの標的となっているとみられ、DoJはこれまでに、ロシアや中国、イランのハッカーらを起訴している。
米連邦捜査局(FBI)のChristopher Wray長官は、Lazarus Groupについて、「このグループの活動は特に悪質だ。多額の資金を盗難するほか、言論の自由を抑圧する脅威をもたらしたり、病院の機能を損なうなど世界中の公的機関や産業を標的としている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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