Adobeは8月28日、UI/UXデザインツール「Adobe XD CC」をプラットフォームとして開発者に開放し、コミュニティやパートナー企業が開発したプラグインを使ってツールをカスタマイズできるようになったと発表した。
Adobe XDは、ウェブコンテンツのUI/UXをデザインできるプロトタイピングツール。ブラウザやモバイル向けのウェブコンテンツを作成できるほか、PhotoshopなどAdobe製品との連携、他のページへの遷移をマウスで結ぶだけで設定できるといった直感的な操作が特徴だ。作成したコンテンツは、他のユーザーと簡単に共有でき、モバイル端末でプレビューを確認できるアプリも提供する。5月には無償のスタータープランも登場した。
開発者は、Adobe XD APIを活用して、Adobe XDに新機能の追加やワークフローの自動化、ユーザーが日常的に使用している他社製ツールやサービスとXDを連携させることが可能となった。同社では、Microsoft Teams、Slack、Jira Software Cloud向けのアドインを発表し、コラボレーションツールで構築された既存のワークフローと連携。Microsoft TeamsとSlackでは、Creative Cloudアセットのプレビュー表示と、プロトタイプファイルにコメントが追加された際の通知機能が利用できる。
さらに、Jiraを利用する開発者は、Adobe XDで共有したプロトタイプとデザインスペックの情報にアクセスできるようになり、デザイナーから開発者へのデザイン仕様の受け渡しプロセスがスムーズになるという。この機能は2018年後半に提供予定としている。こうしたソリューションは、2018年に入って発表したDropbox、Sketch、Zeplin、Avocode、ProtoPie、Sympliといったサードパティツールとの連携を補完するものになるという。
なお、このオープンプラットフォームは、2018年中の一般公開を予定しているが、すでに開発パートナーに対して早期アクセスを提供。Microsoft、Trello、UserTesting、Airtable、Dribbble、Silicon Publishing、Slope、inMotionNow、Astute Graphics、Anima、Google Cloudならびに、自社サービスであるBehanceとStock向けのXDプラグイン開発に向けた協力を開始している。
また、1000万ドル基金「Adobe Fund for Design」の最初の対象者も発表した。同基金は経済的支援だけではなく、業界のエキスパートとの対話、テクノロジーへの早期アクセス、パートナーシップおよび共同マーケティングの機会、Adobeの顧客ネットワークとの接触機会を提供する。対象者は、世界中のデザイナーのためにAdobe XD上にツールやサービスを構築した個人および企業が含まれる。いくつかのプロダクトは、年内に提供を開始する見込みとしている。
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